
えいごろう英語の音の脱落って何?どうして聞き取れないの?
英語の音の脱落は、話すときにあるはずの音が発音されずに消える現象です。
消えやすい音は、次の3つに絞れます。
- 子音が並んだところのtとd
- 強く読まない音節のあいまいな母音
- him・have などの頭のh
本記事では、英語の音の脱落とは何かと、音が消える3つのルール、聞き取りと発音の練習法を順番に解説します。
筆者が、音が消えるルールと例を、英国の公的な国際文化交流機関が運営するBritish Council(TeachingEnglish)の解説で確かめてまとめました。


この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
英語サービス選びの専門家|英語サービス60社以上を体験/取材
この記事を読めば、
- 英語のどの音がどこで消えるのか
- 消えた音を聞き取れるようになる練習の手順
- 自分でも自然に音を落として言う練習
までそろうので、知っている単語なのに聞き取れない状態から抜け出す練習を今日から始められます。
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この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
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英語の音の脱落とは
英語の音の脱落は、単語や文を話すときに、つづりにはある音が発音されずに消える現象です。
英語ではelision(エリジョン)と呼ばれ、Cambridge Dictionaryは単語の中の特定の音を発音しないことと定義しています。
British Councilの教師向けの解説では、もう少し広く、話すときに音・音節・単語が省かれることと説明されています。
音が消えるのは言いやすくするため
British Councilの解説によると、音が省かれるのは、言葉を言いやすく、速くするためです。
話し手は舌の動きをなるべく少なくしようとして発音が弱まり、弱まりすぎた音はすっかり消えてしまうと説明されています。
つまり、脱落は話し手の手抜きではなく、ふつうの速さで話せばだれにでも起きる変化です。
連結や同化とは別の変化
英語の音の変化には、脱落のほかに、音がつながる連結や、隣の音に引っぱられて変わる同化もあります。
British Councilの解説でも、脱落(elision)は、音がつながるlinkingや、音が入り込むintrusionとは別の項目として扱われています。
本記事では、音が「消える」脱落だけに絞って解説します。
音が「つながる」ルールは、別の記事で練習法までまとめています。
音がつながるルールから知りたい人は、リエゾンの練習方法の記事を先に読むと順番が整います。↓


英語で音の脱落が起きる3つのルール
British Councilの解説で挙げられている脱落は、大きく3つに分けられます。
| 消える音 | 消えやすい場所 | 例 |
|---|---|---|
| tとd | 子音が並んだところ | chris(t)mas・san(d)wich |
| あいまいな母音 | 強く読まない音節 | int(e)rest・diff(e)rent |
| h | him・have などの頭 | tell (h)im |
例の( )の中が、話すときに消えやすい音です。
子音が並んだところのtとd
British Councilは、子音の中ではtとdがいちばんよく脱落すると説明しています。
とくに、子音が2つ以上並んだ固まりの中にあるtとdが消えやすいとされています。
Christmasのtや、sandwichのdがその例です。
強く読まない音節のあいまいな母音
強く読まない音節にある、口をあまり開けないあいまいな母音も消えやすい音です。
この母音は発音記号で/ə/と書き、シュワと呼ばれます。
British Councilの例では、int(e)rest・sim(i)lar・lib(a)ry・diff(e)rent・t(o)night の( )の中の母音が落ちることが多いとされています。
him・haveなどの頭のh
3つ目は、him・have などの代名詞や助動詞の頭にあるhです。
British Councilは、hの音もよく消えると説明し、「you shouldn't (h)ave」と「tell (h)im」を例に挙げています。
文の中で強く読まないこうした語では、hが落ちて前の語とつながって聞こえます。
単語の中で音が消える例
脱落は、1つの単語の中でも起きます。
辞書の発音記号を見ると、つづりにある音が最初から書かれていない単語があります。
| 単語 | Cambridge Dictionaryの発音記号 | 消えている音 |
|---|---|---|
| sandwich | /ˈsæn.wɪdʒ/(英) | d |
| camera | /ˈkæm.rə/ | eにあたる母音 |
| interest | /ˈɪn.trest/(英) | 1つ目のeにあたる母音 |
| chocolate | /ˈtʃɒk.lət/(英) | 2つ目のoにあたる母音 |
発音記号はCambridge Dictionaryの各単語のページに載っているものです。
sandwichのdは辞書でも書かれていない
sandwichは、Cambridge Dictionaryの英国の発音記号が/ˈsæn.wɪdʒ/で、dの記号がありません。
nとwの2つの子音にはさまれたdが落ちた形が、辞書の見出しの発音として載っているということです。
British Councilの解説でも、san(d)wichはtとdの脱落の例として挙げられています。
cameraとchocolateは母音が消える
cameraは、Cambridge Dictionaryの発音記号が/ˈkæm.rə/で、mとrの間に母音がありません。
British Councilの用語解説でも、cameraを/kamra/と発音する例が脱落として紹介されています。
chocolateも英国の発音記号は/ˈtʃɒk.lət/で、つづりより音節が1つ少ない形です。
辞書では母音が残っている単語もある
一方、differentやlibraryのように、Cambridge Dictionaryの見出しの発音記号には母音を残した形が書かれている単語もあります。
British Councilの解説では、こうした単語の母音も話すときには落ちることが多いとされています。
辞書の発音記号は、ていねいに発音したときの形を示していることがあります。
記号に書かれた音が、会話の中でいつも全部聞こえるとは限らないと考えておくと迷いません。
単語の境目で音が消える例
脱落は、単語と単語の境目でも起きます。
British Councilの解説は、同じ脱落が単語の境目をまたいでも起きると説明しています。
| フレーズ | 消える音 | 消える理由 |
|---|---|---|
| mus(t) be | t | s・t・bと子音が並ぶ |
| the firs(t) three | t | s・t・thと子音が並ぶ |
| you an(d) me | d | n・d・mと子音が並ぶ |
| we stopp(ed) for lunch | 過去形のed | p・t・fと子音が並ぶ |
| tell (h)im | h | 強く読まないhimの頭 |
フレーズはBritish Councilの解説に載っている例です。
andのdは消えやすい
andは、後ろに子音で始まる語が来ると、dが落ちやすい単語です。
British Councilの例の「you an(d) me」では、n・d・mと子音が並び、間のdが消えます。
「fish and chips」がfish ‘n' chipsと書かれるのも、British Councilの用語解説で脱落の例として挙げられています。
過去形のedも消えることがある
「we stopp(ed) for lunch」では、stoppedの最後のtの音が、後ろのforの子音の前で消えます。
そのため、聞いた音だけでは現在形のstopと区別しにくいことがあります。
時制は、前後の文脈やyesterdayのような時を表す語から判断するのが確実です。
最上級のtも消える
British Councilは、最上級の形容詞の最後のtが消える例も挙げています。
「The Nile is the longest river in the world.」では、longestのtが後ろのriverの前で消えやすくなります。
「The Vatican is the smallest country in the world.」のsmallestも同じです。
最上級は文法の授業で何度も声に出す形なので、脱落の練習にそのまま使える素材です。
I don't knowは大きく形が変わる
British Councilの用語解説では、「I don't know」を/I duno/と発音する例も脱落として紹介されています。
don'tのtが落ちるだけでなく、全体が短くまとまって、文字から想像する音とは大きく違って聞こえるのが特徴です。
よく使う決まり文句ほど、短く崩れた形で耳に入ってくると考えておくと聞き取りの助けになります。
英語の音の脱落が聞き取れない理由
音の脱落を知らないと、知っている単語でも聞き取れない場面が増えます。
文字で覚えた音と聞こえる音が違う
単語をつづりで覚えていると、頭の中にはtやdまで全部そろった音が入っています。
実際の会話ではその音が消えているので、頭の中の音と耳に入った音が一致しないのです。
消える場所をルールで知っておけば、欠けた音を補いながら聞けるようになります。
カタカナの発音が邪魔をする
サンドイッチ・チョコレートのように、カタカナでは消えるはずの音にも母音を付けて読みます。
カタカナの音で覚えていると、英語で音が落ちたときに同じ単語だと気づけません。
辞書の発音記号と音声で、英語の音を覚え直すのが近道です。
1語ずつの音を発音記号から固めたい人は、英語の発音記号一覧の記事が役に立ちます。↓


速く話すほど消える音が増える
British Councilの解説のとおり、脱落は言いやすく速くするために起きます。
そのため、ゆっくりした教材では聞こえていた音が、ふつうの速さの会話では消えていることも少なくありません。
教材の音声が聞き取れても、映画や会話で聞き取れないときは、脱落を疑ってみる価値があります。
英語の音の脱落を聞き取る練習法
聞き取りの練習は、予想する・聞く・書き出す・答え合わせの順で回します。
英文のスクリプトを見て、子音にはさまれたtとd、強く読まない母音、him・haveのhに( )を付けます。
印を付けた英文を見ながら音声を聞き、本当に消えているかを1か所ずつ確かめます。
スクリプトを隠して音声を聞き、聞こえた英文をそのまま書き出します。
書き出した英文とスクリプトを比べ、書けなかった語がどのルールで消えていたかを調べます。
スクリプトに印を付けて予想する
いきなり聞くより、消えそうな場所を先に目で探しておくと、耳がその場所に向きます。
最初は、子音が並んだところのtとdだけに印を付けるのがおすすめです。
3つのルールを一度に探そうとすると、印が多すぎて聞くときに追いきれなくなります。
音声で答え合わせをする
印を付けた英文を見ながら、音声を1文ずつ止めて聞きます。
消えていれば丸、聞こえていれば印を消すようにします。
同じ語でも、話し手や話す速さによって消えるときと消えないときがあります。
印が外れても間違いではなく、その話し手の発音の特徴として記録しておきます。
書き出しで聞き落としを見つける
スクリプトを見ずに書き出すと、脱落で聞き落としていた語が、書けなかった語としてはっきり残ります。
書けなかった語をスクリプトで確かめ、どのルールで消えたかを横にメモしておきます。
書き出しの練習の進め方は、ディクテーションのやり方の記事で詳しく解説しています。↓


素材は短い会話文から選ぶ
素材は、スクリプトが付いていて、1文が短い会話文が使いやすいです。
1文が長いニュースや講演では、どの語で音が消えたのかを見つけにくくなります。
自分が仕事や旅行でよく使う場面の会話を選ぶと、聞き取れた表現をそのまま話す練習にも回せます。
英語の音の脱落を自分で言う練習法
自分で音を落として言えるようになると、聞いたときにも消えた音に気づきやすくなります。
ていねいな形と落とした形を言い比べる
British Councilの解説では、フレーズの音の数を数えさせ、音を落とした発音と、歯切れよく強調した発音を聞き比べる練習が紹介されています。
自分で練習するときも、同じフレーズを2通りで言い分けるのがおすすめです。
「the first three」を、tまで全部言う形と、tを落とす形で交互に言い、口の動きの違いを確かめます。
最上級の文で練習する
British Councilが例に挙げている最上級の文は、そのまま自分の練習に使えます。
「the longest river」「the smallest country」のように、最上級の後ろに子音で始まる語をつなげて言います。
longestのtで舌を止めずに、そのまま次の語の音に移るのがコツです。
音声に重ねて読む
消える場所に印を付けたスクリプトを見ながら、お手本の音声と同時に声を出して読みます。
お手本と自分の声がずれた箇所は、消える音まで全部発音していることが多いはずです。
音声を聞いた後に追いかけて言う練習は、印を付けたスクリプトなしで言えるようになってから進めます。
追いかけて言う練習の進め方は、シャドーイングの2種類のやり方と効果の記事にまとめています。↓


録音してお手本と聞き比べる
話している最中の自分の声は、音が落ちているかを判断しにくいものです。
スマートフォンで録音し、お手本と1文ずつ交互に聞き比べると、消し忘れた音が耳で分かります。
消し忘れた箇所はスクリプトに印を足し、その文だけを繰り返し練習します。
英語の音の脱落を1日15分で練習するメニュー
毎日続けるために、1回の練習を15分の型に固定します。
| 時間 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 3分 | スクリプトに消える場所の印を付ける | ルールを目で確かめる |
| 3分 | 印を見ながら音声を聞く | 消えた音を耳で確かめる |
| 3分 | スクリプトを見ずに書き出す | 聞き落としを見つける |
| 3分 | 音声に重ねて読む | 音を落として言う |
| 3分 | 録音して聞き比べる | 消し忘れを見つける |
1日に扱う文は、5文から10文ほどに絞ります。
文を増やすより、同じ文で消える音を聞き取れるまで繰り返すほうが身につきます。
1週間の回し方
同じ素材を数日続けて使い、書き出しで聞き落としがなくなったら次の素材に移ります。
週の初めは子音が並んだところのtとd、慣れてきたらあいまいな母音とh、というようにルールを1つずつ足していくのがおすすめです。
週の終わりには、その週の文をまとめて録音し、週の初めの録音と聞き比べます。
続かない日の代わりの練習
毎日15分がきつくなったら、印を付けた1文を聞いて重ねて読むだけの5分に縮めて続けます。
練習を止めてしまうより、短くても毎日英語の音を聞くほうが、消える音の感覚を手放さずに済みます。
リスニング全体の練習の組み立てに迷ったら、英語のリスニングが伸びない原因の記事でレベル別に整理できます。↓


英語の音の脱落の練習でつまずきやすい点
音の脱落の練習では、同じところで止まりやすくなります。
どのtとdも消えると思い込む
脱落しやすいのは、子音が並んだところのtとdです。
後ろに母音で始まる語が来るときは、音が消えるのではなく、次の語とつながって聞こえることがあります。
どちらになるかは後ろの音で決まるので、tとdを見つけたら、まず次の語の最初の音を確かめます。
強調したい語まで落としてしまう
British Councilの解説が音を落とした発音と比べているのは、歯切れよく強調した発音です。
つまり、強く伝えたいときは、ていねいな形で言う場面もあるということです。
練習では、ふつうの速さの文で落とす形と、強調したい語をていねいに言う形の両方を言えるようにしておきます。
書いた英文まで消えた形にする
脱落は話すときの音の変化で、つづりが変わるわけではありません。
メールや作文でsandwichのdを抜いたり、andを省いたりすると、つづりの間違いになります。
fish ‘n' chipsのような書き方は、決まった表現として使われるものに限って覚えます。
話し手を次々に変える
同じ語でも、話し手や話す速さによって、音が消えるときと消えないときがあります。
練習の初めは、同じ話し手の音声を続けて使うと、消え方の癖をつかみやすいでしょう。
1人の話し手の消え方に慣れてから、別の話し手の音声に広げていきます。
英語の音の脱落の上達を確かめる方法
一人の練習で難しいのは、自分の発音で音が自然に落ちているかを判断することです。
書き出しの聞き落としを数える
同じ素材で書き出しをしたとき、書けなかった語の数を毎回メモしておきます。
数が減っていけば、消えた音を補って聞けるようになったしるしです。
新しい素材に替えたときに数が戻るのはふつうのことなので、素材ごとに比べます。
アプリのAIに判定してもらう
自分の耳だけでは判断に迷うときは、発音を判定する学習アプリを使う方法があります。
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英語の音の脱落のよくある質問
- 英語の音の脱落とは何ですか?
-
話すときに、つづりにはある音が発音されずに消える現象です。
英語ではelisionと呼ばれます。
- どの音が消えやすいですか?
-
子音が並んだところのtとd、強く読まない音節のあいまいな母音、him・haveなどの頭のhの3つが代表です。
子音の中ではtとdがいちばんよく消えると説明されています。
- なぜ英語では音が消えるのですか?
-
言葉を言いやすく、速くするためです。
舌の動きを少なくしようとして発音が弱まり、弱まりすぎた音が消えます。
- 音の脱落とリエゾンは何が違いますか?
-
脱落は音が消える変化で、リエゾンは単語どうしの音がつながる変化です。
どちらも話すときの音の変化ですが、別のルールとして練習します。
- 音の脱落は自分でもしたほうがいいですか?
-
ふつうの速さで話すと自然に起きる変化なので、練習しておくと話しやすくなります。
ただし、強く伝えたい語はていねいに言う場面もあるので、両方の形を言えるようにします。
- 音の脱落はどうやって練習すればいいですか?
-
スクリプトに消える場所の印を付け、音声で確かめてから、書き出しと重ねて読む練習に進みます。
最後に録音してお手本と聞き比べます。
- 1日どのくらい練習すればいいですか?
-
本記事では、1回15分で5文から10文ほどを扱う型をすすめています。
文の数を増やすより、同じ文で消える音を聞き取れるまで繰り返します。
- 音が消えた単語は書くときも省きますか?
-
省きません。
脱落は話すときの音の変化で、つづりは変わりません。
英語の音の脱落のまとめ
最後に、英語の音の脱落で押さえる点をまとめます。
| 押さえる点 | やること |
|---|---|
| 脱落とは | つづりにある音が話すときに消える現象 |
| tとd | 子音が並んだところで消えやすい |
| 母音 | 強く読まない音節のあいまいな母音が消えやすい |
| h | him・haveなどの頭のhが消えやすい |
| 練習の順番 | 印を付ける・聞く・書き出す・重ねて読む・録音 |
| 1日の量 | 15分で5文から10文ほど |
消える場所をルールで知ってから聞けば、知っている単語なのに聞き取れない場面が減っていきます。
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参考文献
- Connected speech – part 2(British Council TeachingEnglish)
- Connected speech(British Council TeachingEnglish)
- Elision(British Council TeachingEnglish)
- elision の意味(Cambridge Dictionary)
- sandwich の発音(Cambridge Dictionary)
- camera の発音(Cambridge Dictionary)
- interest の発音(Cambridge Dictionary)
- chocolate の発音(Cambridge Dictionary)
- ELSA Speak 公式サイト(ELSA Speak)










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