
えいごろう大人が英語の絵本で学び直すのは意味がある?
大人が英語の絵本で学び直すのは、基礎の語順と音を体に入れ直す手段として意味があります。
ただし、何冊も流し読みするより1冊を5回使い切るほうが身につきます。
- 選ぶのは1ページ1〜2文で繰り返しのある絵本
- 音声付きか、読み聞かせの音源がある本にする
- 読んだあとに声に出して、自分の生活に置き換える
本記事では、英語を学び直したい大人が、絵本を教材として使い切る読み方を解説します。
筆者が、定番の英語絵本の内容と仕様を、エリック・カール公式サイトと出版社の書籍ページで確かめてまとめました。


この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
英語サービス選びの専門家|英語サービス60社以上を体験/取材
この記事を読めば、
- 学び直しに使える絵本の見分け方
- 1冊から語順と音を取り出す5回の読み方
- 絵本を卒業する次の一歩
までそろうので、本棚の1冊を今日から教材に変えられます。
英語の学び直しを何から始めるか全体の順番を知りたい人は、40代の英語やり直しの始め方も参考になります。↓



この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
英語サービス選びの専門家|英語サービス60社以上を体験/取材
英語の絵本は大人の学び直しに使えるかの結論
英語の絵本は、大人の学び直しにも使えます。
理由は、絵本の英語が短い文で、主語と動詞の並びがはっきりしているからです。
中学で習った文法を忘れていても、絵が意味を支えてくれるので、辞書を引かずに最後のページまでたどり着けます。
一方で、絵本だけで仕事の英語や試験の点数まで届くわけではありません。
絵本は基礎の語順と音を入れ直すための入口だと考えると、使い方を間違えません。
取り戻せるのは、短い文を頭から理解する感覚と、英語のリズムを口に乗せる感覚です。
取り戻せないのは、長い文の構造をほどく力と、専門的な語彙です。
そこは絵本のあとに別の教材で足します。
子ども向けでも大人が読む意味がある
絵本は、英語を母語にする子どもが最初に触れる英語です。
つまり、ネイティブが最初に覚える語順と言い回しが、いちばん短い形で入っています。
大人が学び直すときにつまずくのは、難しい単語よりも、簡単な文を速く処理できないことのほうが多いもの。
絵本はその速さを取り戻す練習にちょうど合います。
短い文を見た瞬間に意味が浮かぶ状態を作っておくと、そのあとに長い文を読むときの負担も軽くなるはずです。
大人が絵本でつまずく点
いちばん多いのは、1回読んで「簡単だった」で終えてしまうことです。
読めることと、使えることは別物です。
同じ文を自分の口で言えるか、似た場面で言い換えられるかまで進んで、はじめて学び直しになります。
大人が英語の絵本で学ぶメリット
大人が絵本を教材にするメリットを、学習の面から3つに分けて整理します。
| メリット | 何が身につくか |
|---|---|
| 語順 | 主語と動詞から始まる文を頭から理解する感覚 |
| 音とリズム | 韻と繰り返しで、英語の強弱が口に残る |
| 達成感 | 1冊を最後まで読み切った経験が続ける力になる |
絵が意味を教えてくれる
絵本では、文の意味を絵が先に見せてくれます。
知らない単語があっても、絵を見れば何の話かが分かるので、日本語に訳さずに英語のまま理解する練習になります。
これは大人向けの多読で求められる「訳さずに読む」感覚にも通じる読み方です。
繰り返しで文の型が残る
多くの絵本は、同じ文の型を少しずつ言葉を変えながら繰り返します。
同じ型を何度も読むうちに、型そのものが記憶に残ります。
文法書で例文を1つ覚えるより、物語の中で10回出会う型のほうが、口から出やすくなるはずです。
読み切れるので続けやすい
大人の学び直しが止まる原因の多くは、教材が長すぎて途中でやめてしまうことです。
絵本は短いので、1日の空いた時間で1冊を通して読めます。
たとえば昼休みの残り時間や、電車で座れた数駅の間でも、最初のページから最後のページまでたどり着けるでしょう。
長い教材では途中で区切る必要があり、次に開いたときに前の内容を思い出すところから始めることになります。
最後のページまで読み切った経験が、次の1冊に手を伸ばす力になるはずです。
英語の絵本が向かない大人
絵本はすべての大人に向くわけではありません。
次のどれかに当てはまるなら、絵本は短期間で切り上げて、別の教材に移るほうが近道です。
試験の点数を短期間で上げたい人
TOEICや英検の点数を数か月で上げたいなら、試験の形式に合わせた問題集のほうが近道です。
絵本は試験の問題形式とは別物なので、点数に結びつくまで時間がかかります。
ただし、試験の勉強に疲れたときの気分転換として、音読用に1冊だけ手元に置いておく使い方はあり得ます。
試験の英文を読むときにも、短い文を頭から理解する感覚は土台として生きるからです。
中学英語がすでに読める人
中学英語の文章がすらすら読めるなら、絵本では物足りないはずです。
目安としては、中学の教科書の本文を辞書なしで読んで、ほとんどの文の意味が取れるかどうかで判断できるでしょう。
読めるつもりでも音読すると詰まる人は、音を取り戻す目的で絵本から始める価値があります。
その段階なら、絵本を飛ばして段階別の読み物に進んだほうが学びが多くなります。
段階別の読み物を使った多読の進め方は、英語の多読の効果とやり方の記事で解説しています。↓


大人の学び直しに向く英語の絵本の選び方
絵本ならどれでもよいわけではありません。
学び直しに使うなら、次の4つで選びます。
1ページの文が1〜2文
1ページに文が1〜2文しかない絵本を選びます。
文が多い絵本は、絵本といっても子どもが自分で読む段階の本で、大人の学び直しの入口には重すぎます。
書店や通販で中を確かめられるなら、最初の見開きを見て文の数を数えるのが確実です。
同じ型の文が繰り返される
同じ文の型が何度も出てくる絵本は、型を覚える教材として優れています。
問いかけと答えが続く形や、曜日や数が順に進む形の本が、この条件に当てはまります。
音声で聞ける
学び直しでは、読むのと同じくらい、正しい音で聞くことが大切です。
CD付きの版、出版社が配信する読み聞かせ、朗読付きの電子書籍など、ネイティブの音声で確かめられる本を選びます。
自己流の発音で音読を重ねると、間違った音のまま定着してしまいます。
大人が読んでも興味が続く
内容が幼すぎると、読む気が続きません。
仕掛けや絵に工夫がある本、大人になってから読むと別の意味が見える本を選ぶと、繰り返し開く気持ちが保てます。
文の数・繰り返し・音声・自分の興味の4つを、買う前に確かめます。
4つのうち音声だけは後から用意しにくいので、迷ったら音声がある版を優先します。
学び直しの入口になる定番の英語絵本
ここでは、出版社や作者の公式サイトで内容を確かめられた定番の絵本だけを紹介します。
語数やレベルの数字は版によって違うため、ここでは書いていません。
The Very Hungry Caterpillar
エリック・カールの絵本で、エリック・カール公式サイトでは1969年の作品として紹介されています。
公式サイトの説明では、はらぺこのあおむしが蝶になるまでを追う物語で、曜日や数え方、食べ物についても学べる本とされています。
ページに穴が開いた仕掛けがあり、あおむしが食べ進む様子を指でたどれるのも特徴。
ペンギン・ランダムハウス英国のPuffin版のボードブックは、書籍ページで24ページと案内されています。
曜日と数が順に進む構成なので、Monday から Sunday までの言い方と、one から five までの数え方を物語の中で確かめられます。
大人が読むと、食べ物の名前と曜日の言い方を一度に復習できる1冊です。
Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
エリック・カールが絵を描いた絵本で、題名そのものが問いかけの文になっています。
同じ問いと答えの型が動物と色を変えながら続くので、文の型を体で覚える練習に向いています。
題名の What do you see? という問いかけを、何度も声に出すことになるでしょう。
1冊読み終わるころには、問いかけの文を自分で作れるようになっているはずです。
| 絵本 | 学べること | 向く使い方 |
|---|---|---|
| The Very Hungry Caterpillar | 曜日・数・食べ物の名前 | 単語と順番の復習 |
| Brown Bear, Brown Bear, What Do You See? | 問いと答えの文の型・色 | 型の音読と言い換え |
英語の絵本を1冊使い切る5回の読み方
学び直しで成果が出るかは、1冊を何回、どう読むかで決まります。
次の5回を、同じ1冊で順に回します。
文字は読まずに最後までめくり、どんな話かを絵だけで想像します。
ネイティブの音声に合わせて、文字を指でなぞりながら聞きます。
絵で分からなかった語だけ辞書で引き、文の形を確かめます。
音声と同時に声を出し、速さとリズムを合わせます。
同じ型で、自分の1日や身の回りのものを英語で言ってみます。
1回目と2回目は意味をつかむ
最初の2回は、日本語に訳さずに意味をつかむことに集中します。
絵を見て話を想像してから音声を聞くと、英語の音と絵の意味が直接つながるという体験ができます。
この段階では、聞き取れない語があっても止まらずに最後まで進むのがコツです。
3回目で文の形を確かめる
3回目は、文の形を確かめる回です。
主語はどれか、動詞はどれか、どこで区切れるかを、1文ずつ見ていきます。
辞書を引くのは、絵を見ても意味が分からなかった語だけに絞ります。
文の形を1文ずつ確かめる読み方は、英語の精読のやり方の記事で詳しく解説しています。↓


4回目と5回目で口に移す
4回目からは、読んだ英語を自分の口に移していきます。
音声と同時に声を出し、リズムがずれたところだけ繰り返すのが基本です。
5回目は本を閉じて、同じ型の文を自分の生活に置き換えて言うことに挑戦します。
たとえば曜日の型なら、自分が月曜日に何をしたかを同じ形で言ってみます。
英語の絵本を使った音読のやり方
絵本の学び直しで中心になるのが音読です。
ただ声に出すだけでなく、次の3つを意識すると効果が変わります。
音声の後に1文ずつ続ける
最初は、音声を1文ずつ止めて、すぐ後に同じ文を言います。
音声のまねができているかを、耳で確かめながら進めます。
音声に重ねて読む
1文ずつ言えるようになったら、音声を止めずに同時に読みます。
絵本の英語は短いので、強く読む語と弱く読む語の差を確かめやすいのが利点。
ついていけない文があれば、その文だけを繰り返します。
録音して聞き比べる
最後に、自分の音読をスマートフォンで録音し、音声と聞き比べます。
自分では言えているつもりでも、録音すると音がつながっていなかったり、強弱が平らだったりするものです。
聞き比べてずれた所だけ直すと、短い時間で音読の質が上がります。
大人が英語の絵本を続けるためのコツ
学び直しは、続けられるかどうかで結果が決まります。
絵本を続けるための工夫を3つ紹介します。
1日1冊ではなく1日1回
毎日新しい絵本を読む必要はありません。
1日目は絵だけで話をつかみ、2日目は音声を聞きながら文字を目で追います。
3日目に分からない語を確かめ、4日目に音声へ重ねて音読し、5日目に自分の生活に置き換えて言ってみます。
週末に予定が崩れても、次の日に続きの回から再開すれば十分です。
同じ1冊を1日1回ずつ5日かけて読むほうが、1冊から取り出せるものが多くなります。
1回の読書は10分前後で終わるので、通勤や寝る前の時間に組み込めます。
読んだ記録を残す
読んだ日と回数、言えるようになった文を、ノートや手帳に1行で残します。
記録が増えていくと、続けている事実が目に見えるようになります。
言えるようになった文を書き出しておけば、あとで見返したときに自分の英語の引き出しとして使えるのも利点です。
ノートの書き方にこだわる必要はなく、日付の代わりに何冊目の何回目かを書くだけでも記録になります。
子どもと一緒に読む
家に子どもがいるなら、読み聞かせを自分の音読練習にできます。
ただし、子どもに聞かせる前に、自分で音声を聞いて正しい音を確かめておきます。
先に大人が一人で音声付きの読み方を2回ほど済ませてから、子どもに読み聞かせます。
一人で読むより、聞き手がいるほうが続けやすいという人も多いはずです。
読む場所と時間を決めておく
学び直しが止まる大人の多くは、やる気ではなく時間の置き場所で失敗しています。
「夕食の後にリビングで10分」のように、場所と時間をあらかじめ決めておけば、迷わずに本を開けるはずです。
絵本は持ち運びにくい判型のものもあるので、外で読むなら電子書籍の版を選ぶ方法もあります。
毎日同じ場所で開くうちに、本を開くこと自体が習慣になるでしょう。
英語の絵本の次に進む本
絵本は入口なので、いつか卒業します。
次の本に進むタイミングと進み先を整理します。
卒業のタイミング
音声なしで絵本を読んで、ほとんどの文を訳さずに理解できるようになったら次に進む合図です。
さらに、絵本の型を使って自分のことを言えるようになっていれば十分です。
段階別の読み物に進む
次の一歩は、学習者向けに語彙と文法をしぼった段階別の読み物です。
絵本よりも文が長くなり、1冊で読む量も増えるのが特徴です。
絵本で身につけた「頭から理解する」読み方を、そのまま長い文に広げていきます。
段階別の読み物で読む量を増やす進め方は、多読の記事でまとめています。
最初の数冊は、絵本と同じように音声付きの読み物を選びます。
1ページに知らない語が多すぎて絵本のように推測できないなら、もう1段易しい読み物に戻ります。
会話で使ってみる
絵本で覚えた型は、実際に人と話して使うと定着します。
書いた英文を講師に直してもらい、それを声に出して話す練習をすると、絵本で覚えた型が自分の言葉に変わっていきます。
大人が英語の絵本で学ぶときの注意点
絵本の学び直しには、大人だからこそ陥りやすい落とし穴があります。
始める前に、次の4つを知っておくと遠回りを防げます。
訳して理解しようとしない
大人は学校で英文和訳に慣れているため、絵本でも1文ずつ日本語に直したくなるものです。
けれども絵本の英語は短く、絵が意味を補ってくれるので、訳す必要はありません。
訳しながら読むと、英語を英語のまま理解する練習の機会を自分で手放すことになります。
意味が取れない文があっても、まず絵を見て推測し、それでも分からないときだけ辞書を引きましょう。
文法の説明を求めすぎない
絵本の文は、子どもに読み聞かせるリズムを優先して書かれています。
韻を踏むために語順が変わっていたり、文法書どおりではない言い回しが出てきたりすることもあるでしょう。
そうした文の理由を1つずつ調べ始めると、読む手が止まってしまいます。
文法の確認は、3回目の読み方で主語と動詞を見る程度にとどめるのが続けるコツです。
冊数を目標にしない
「月に何冊読む」という目標は、絵本の学び直しには合いません。
冊数を追うと、1回読んで次へ進む流し読みになりやすいからです。
目標にするなら、自分の口で言えるようになった文の数を数えるほうが学び直しの成果に直結します。
1冊から5つの文を言えるようになれば、その1冊は十分に使い切ったと考えてよいでしょう。
絵本と大人向けの教材を並べて使う
絵本だけを続けていると、仕事や旅行で必要な語彙に触れる機会が限られます。
絵本で語順と音を取り戻しながら、並行して中学英語の文法を1冊で見直すと、読んだ型がなぜその形なのかが腹に落ちやすくなるはずです。
絵本は音とリズム、文法の本は仕組みというように、役割を分けて使い分けてください。
1日の学習時間のうち、絵本の音読を10分、文法の見直しを10分のように、短く区切って並べます。
どちらか一方が長くなりすぎないように、時間を先に決めておくと続けやすくなります。
英語の絵本で学ぶ大人のよくある質問
- 大人が英語の絵本を読むのは恥ずかしくないですか?
-
絵本は英語を母語にする子どもが最初に触れる英語なので、学び直しの入口として理にかなっています。
人前で読む必要はなく、一人で音声と一緒に読めば十分です。
- 英語の絵本は何冊読めばいいですか?
-
冊数より、1冊を何回使い切ったかが大切です。
同じ1冊を5回読んで、型を自分の口で言えるようになってから次の本に進みます。
- 絵本だけで英語が話せるようになりますか?
-
絵本だけでは話せるようになりません。
絵本で覚えた型を、実際の会話や音読で使ってはじめて話す力になります。
- 音声のない絵本はどう使えばいいですか?
-
自己流の発音で音読を重ねないことが大切です。
読み聞かせの音源がある別の版を探すか、音声のある本を優先して選びます。
- 英語の絵本はどこで手に入れればいいですか?
-
書店や通販のほか、洋書を置いている図書館で借りる方法もあります。
買う前に中を確かめられるなら、1ページの文の数と音声の有無を見てから選びます。
- 英語の絵本と多読はどう違いますか?
-
多読は、易しい本を大量に読んで読む量を積む学習法です。
絵本の学び直しは、1冊を何度も使って語順と音を入れ直すことが目的なので、冊数を追いません。
大人が英語の絵本で学び直す方法のまとめ
最後に、絵本で学び直すときに押さえる点をまとめます。
| 押さえる点 | やること |
|---|---|
| 選び方 | 1ページ1〜2文・繰り返し・音声付きの絵本 |
| 読み方 | 同じ1冊を5回、意味から口へ順に進める |
| 音読 | 後に続ける・重ねる・録音して比べる |
| 続け方 | 1日1冊ではなく1日1回 |
| 卒業 | 訳さずに読めたら段階別の読み物へ |
絵本は、学び直しのいちばん低い段差です。
1冊を使い切った手ごたえを、次の教材に進む力に変えてください。
学び直し全体の順番は、40代の英語やり直しの始め方でロードマップとして確認できます。↓


絵本で覚えた型を書いて話す練習に移るなら、英文を講師が添削してくれるオンライン英会話が使えます。
\書いた英文を講師が添削する/
WritingとSpeakingを組み合わせて学べる




参考文献
- The Very Hungry Caterpillar, 1969(Eric Carle公式サイト)
- Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?(Eric Carle公式サイト)
- The Very Hungry Caterpillar(Penguin Books UK)










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