
えいごろうスキミングとスキャニングの違いって何?どっちを使えばいいの?
スキミングは文章全体の要点をつかむために速く読む読み方です。
スキャニングは欲しい情報だけを探すために速く目を走らせる読み方です。
違いは読む目的の1点に集約されます。
- 「何の話か」を知りたいならスキミング
- 「どこに書いてあるか」を知りたいならスキャニング
- 試験の長文では2つを順番に組み合わせる
本記事では、スキミングとスキャニングの違いを、意味・やり方・使い分け・練習法の順に解説します。
筆者が、2つの語の意味をCambridge Dictionaryの定義で確かめ、TOEICの出題形式はIIBC公式サイトで確かめてまとめました。


この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
英語サービス選びの専門家|英語サービス60社以上を体験/取材
この記事を読めば、
- スキミングとスキャニングを目的で使い分ける基準
- それぞれの読み方で目をどこに置くか
- 手持ちの教材で始められる練習の手順
までそろうので、英語長文を前から全部読む癖から抜け出せます。
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この記事を書いた人|高正熊生(たかまさくまお)(TOEIC920・英検準1級)
英語サービス選びの専門家|英語サービス60社以上を体験/取材
スキミングとスキャニングの違いの結論
スキミングとスキャニングは、どちらも英文を速く読むための読み方です。
2つを分けるのは、読み終えたときに何を手に入れたいかです。
| 比べる点 | スキミング | スキャニング |
|---|---|---|
| 目的 | 文章全体の要点をつかむ | 必要な情報だけを見つける |
| 目の動き | 段落の頭と終わりを順にたどる | 探す語を決めて全体を走らせる |
| 読む範囲 | 全体を浅く広く | 目当ての箇所だけを深く |
| 頭の中の問い | この文章は何の話か | 答えはどこに書いてあるか |
| 向く文章 | 論説文・記事・メール | 表・広告・日程・案内文 |
| 読み終わり | 要旨を1文で言える | 探した数字や名前が手に入る |
スキミングは「森を見る」読み方、スキャニングは「1本の木を探す」読み方と言い換えられます。
どちらも全文を一語ずつ訳す読み方ではない点は同じです。
ただし速く読むことそのものが目的ではなく、読む前に決めた目的を最短で満たすための技術だと考えてください。
語の意味から見た違い
Cambridge Dictionaryでは、skimは「細部まで読み込まずに、要点を理解するために何かを速く読む・見ること」と説明されています。
一方のscanには、「欲しい情報を見つけるために文章にすばやく目を通すこと」という意味が載っています。
つまり辞書の定義の時点で、skimは要点、scanは特定の情報と、手に入れたいものが分かれているということです。
なおscanには「全体の見当をつけるために目を通す」という意味も併記されています。
日常の英語では2語が近い意味で使われる場面もあるため、英語学習の文脈で使い分ける用語として覚えておくと混乱しません。
同じ文章でも目的で読み方が変わる
たとえば英語のニュース記事を1本渡されたとします。
「この記事は何について書かれているか」と聞かれたら、見出しと各段落の頭を拾うスキミングの出番です。
「記事に出てくる会社の名前は何か」と聞かれたら、大文字で始まる固有名詞を探すスキャニングで答えます。
文章は同じでも、問いが変われば目の動かし方も別物。
これが2つの読み方の違いを理解するいちばんの近道です。
スキミングとは|要点をつかむ読み方
スキミングは、文章の骨組みだけを先に拾って、全体で何を言っているかをつかむ読み方です。
英語の説明文は、段落の最初の文にその段落の主張を置く書き方が多く使われます。
そのためスキミングでは、段落の最初の文と最後の文を優先して読むことに時間を使います。
スキミングで読む場所
- 題名と見出し
- 第1段落(導入)の全体
- 各段落の最初の1文
- 最終段落(結論)の全体
- 太字・図表の題・箇条書きの頭
この5か所を拾うだけで、筆者がどんな順番で何を主張しているかの地図ができます。
段落の中ほどにある具体例や数字は、スキミングの段階では読み飛ばして構いません。
スキミングのやり方
まず題名と見出しを読んで、文章のテーマを1語で決めます。
次は各段落の最初の文だけを順に読み、段落ごとの役割に印を付ける段階です。
最後に結論の段落を読んで、題名で予想したテーマと合っているかを確かめましょう。
読み終えたら、文章の要旨を日本語で1文にまとめられるかを自分に問います。
1文にできなければ、拾う場所が足りていない合図です。
スキミングでつかめないもの
スキミングは要点をつかむ読み方なので、細かい条件や数字は手に入りません。
細部を問う設問は、スキミングだけで答えると取り違えが起きます。
細部が必要になった時点で、スキャニングか精読に切り替えます。
スキャニングとは|必要な情報を探す読み方
スキャニングは、探す情報を先に決めてから、その情報が出てくる場所だけを探しにいく読み方です。
電話帳から名前を探すときや、時刻表から乗りたい電車を探すときの目の動きと同じです。
探す語が決まっていることが前提なので、目的が決まっていないと使えません。
スキャニングで探す目印
- 数字・金額・時刻・日付
- 大文字で始まる人名・会社名・地名
- 設問に出てきた語と同じ語・言い換えた語
- 表の見出しや項目名
- however や but のような流れを変える語
数字や固有名詞は、英文の中で形が目立つため、目を走らせるだけで見つかります。
設問の語は本文で別の語に言い換えられていることが多く、同じ語だけを探すと見落とします。
スキャニングのやり方
最初に、何を探すのかを1〜2語のキーワードに絞ります。
次に、そのキーワードが数字なのか名前なのか、どんな形で出てくるかを予想します。
本文は1行ずつ読まず、予想した形だけを拾うつもりで上から下へ目を走らせます。
目印を見つけたら、その前後の1〜2文だけをていねいに読んで答えを確かめます。
スキャニングで起きやすい失敗
目印を見つけた瞬間に答えを決めてしまうのが、いちばん多い失敗です。
同じ数字や名前が本文に2回出てくる文章では、最初に見つけた箇所が答えとは限りません。
見つけた箇所の前後を読み、設問の条件と合っているかまで確かめてから答えます。
スキミングとスキャニングの使い分け
2つは対立する読み方ではなく、目的に合わせて切り替えて使うものです。
迷ったときは、読む前に「何を知りたいか」を言葉にすると、どちらを使うかが決まります。
| 読む場面 | 使う読み方 | 理由 |
|---|---|---|
| 英字ニュースの見出しを追う | スキミング | 全体の話題を知りたい |
| 論文や報告書の要旨を知る | スキミング | 主張と結論を先に知りたい |
| 案内メールから集合時刻を探す | スキャニング | 1つの情報だけが欲しい |
| 表や料金一覧から値段を探す | スキャニング | 項目名から探せる |
| 試験の長文読解 | 両方を順番に | 全体像と細部の両方を問われる |
組み合わせるときの順番
試験の長文では、先にスキミングで全体の地図を作り、次にスキャニングで答えの場所へ飛ぶのが基本の流れです。
地図があると、「この情報は第3段落あたりにありそうだ」と見当がつき、スキャニングで探す範囲を狭められます。
逆に、地図を作らずにいきなり探し始めると、文章の頭から何度も読み直すことになります。
どちらも使わないほうがいい場面
契約書や手続きの条件のように、1語の読み違いが損につながる文章もあります。
こうした文章は、スキミングで全体を見たあと、必要な箇所を精読で一語ずつ確かめるのが安全です。
速く読む技術は、ていねいに読むべき箇所を見つけるための道具でもあります。
精読・多読・速読とスキミング・スキャニングの違い
英語の読み方には、スキミングとスキャニングのほかにもよく聞く呼び名があります。
混同しやすい3つとの関係を整理します。
| 読み方 | やること | スキミング・スキャニングとの関係 |
|---|---|---|
| 精読 | 文の構造を取り、一語ずつ正確に理解する | 速く読むための土台になる |
| 多読 | やさしい英文を大量に読む | 読む速さと語彙の土台を作る |
| 速読 | 読むスピードそのものを上げる | 2つは速読を支える技術の一部 |
精読で文の形が取れていないと、スキミングで段落の頭を読んでも意味が取れません。
多読で英文に慣れていないと、スキャニングで目を走らせても目印が浮かび上がってきません。
つまり精読と多読が土台で、スキミングとスキャニングはその上に載る技術という関係です。
精読のやり方は、英語の精読のやり方の記事で1日の進め方まで解説しています。↓


多読の始め方は、英語の多読の効果と正しいやり方の記事にまとめています。↓


TOEICのリーディングでスキミングとスキャニングを使う方法
TOEIC L&Rのリーディングセクションは、75分間で100問に答える形式です。
このうちPart7は、1つの文書の問題が29問、複数の文書の問題が25問という構成です。
Part7には、メール・広告・記事・チャットのような、いろいろな文書が並びます。
文書の種類が毎回変わるため、文書ごとにスキミングとスキャニングを切り替える力が点数に直結します。
設問を先に読んでからスキャニング
Part7では、本文より先に設問を読み、何を探すかを決めておく解き方がよく使われます。
設問に日付や金額、人名が出ていれば、その語がスキャニングの目印になります。
答えの根拠になる1文を見つけたら、選択肢と照らし合わせて言い換えを確かめてください。
主旨を問う設問はスキミング
「この文書の目的は何か」「なぜこのメールは書かれたか」という設問は、特定の語を探しても答えが出ません。
こうした設問は、件名・第1段落・最後の段落を拾うスキミングで解きます。
メールなら、冒頭の数行で用件を伝えている書き方が多く見られます。
複数の文書の問題での使い方
複数の文書の問題では、2つ以上の文書の情報を組み合わせて答える設問が出ます。
まず各文書をスキミングして、それぞれが何の文書かをつかむのが先です。
次に設問の目印を手がかりに、どの文書のどこに情報があるかをスキャニングで探します。
Part7で時間が足りない人は、TOEIC Part7の塗り絵を減らす方法の記事で時間配分の線引きを確認できます。↓


スキミングとスキャニングの練習法
2つの読み方は、知識として知っているだけでは試験本番で使えません。
手持ちの英文で、次の順に練習します。
一度精読して意味が分かっている英文を使うと、読み方の練習だけに集中できます。
全文を読むのにかかる時間より短い制限時間を決め、段落の頭だけを拾って要旨を1文で書きます。
数字や固有名詞を3つ選び、本文のどこにあるかを指で示すまでの時間を測ります。
最後に全文を読み、書いた要旨と見つけた情報が合っていたかを確かめます。
練習に向く英文
スキミングの練習には、見出しと段落がはっきり分かれた英字ニュースや説明文が向いています。
スキャニングの練習台は、イベントの案内・時刻表・商品の一覧のような、数字や名前が多い文書です。
TOEICを受ける人なら、公式問題集のPart7をそのまま練習の素材に使えます。
練習の量の目安
1回の練習は、英文1〜2本で十分です。
長い時間まとめてやるより、毎日短く続けたほうが、目の動かし方が体に残ります。
同じ英文を日を空けて使い直すと、前回より速く要旨をつかめたかを比べられます。
読むスピードそのものを上げる練習は、英語速読法の3ステップの記事で解説しています。↓


スキミングとスキャニングを仕事と日常で使う場面
2つの読み方は試験のための技術と思われがちですが、英語を読む場面ならどこでも使えます。
試験の外で使う機会を増やすと、本番でも自然に目が動くようになります。
英語のメールを読むとき
仕事で届く英語のメールは、件名と最初の2〜3行で用件が分かる書き方が多く見られます。
まず件名と冒頭をスキミングして、返信が要るメールか、読むだけで済むメールかを分けます。
返信が要るメールだけ、締め切りや金額、添付の有無をスキャニングで拾うという流れです。
受信箱にたまった英語のメールも、この2段階で読めば1通あたりの時間を短くできます。
英語のウェブサイトや説明書を読むとき
海外のサイトで商品やサービスを調べるときは、知りたい項目が決まっていることがほとんど。
料金・配送・返品のような項目名を目印に、ページ全体をスキャニングで探すのが近道になります。
一方で、そのサービスが自分に合うかを判断したいときは、トップページの見出しを順にスキミングして全体像をつかむのが先です。
説明書も同じで、目次と見出しでスキミングし、困っている症状の語でスキャニングする使い方ができます。
英語のニュースや記事を読むとき
英語のニュースは、見出しと最初の段落に出来事の要点がまとまっている書き方が基本です。
見出しと第1段落のスキミングだけで、その記事を最後まで読むかどうかを決められます。
興味を持った記事だけ全文を読めば、限られた時間で読める英文の量が増えるでしょう。
毎日の通勤時間に、見出しのスキミングだけを続けるのも十分な練習になります。
英語の資料や論文を読むとき
英語の論文や報告書には、冒頭に要旨(abstract)や要約(summary)が置かれていることが多くあります。
まず要旨と結論の段落をスキミングして、自分が知りたいことが書かれた資料かを判断します。
必要な資料だと分かったら、図表の題や見出しを目印に、欲しいデータが載っている箇所をスキャニングで探すという順番。
1本の資料を最初から最後まで精読する前に、この2段階を挟むだけで、読む必要のない資料に時間を使わずに済みます。
メール・ニュース・論文は、まずスキミングで「読む価値があるか」を決めます。
ウェブサイト・説明書・表は、知りたい項目名を決めてスキャニングから入ると迷いません。
スキミングとスキャニングがうまくいかない原因
練習しても速く読めない場合は、読み方の技術より前の土台でつまずいていることがあります。
単語と文法の土台が足りない
段落の最初の文を読んでも意味が取れなければ、スキミングは成り立ちません。
知らない単語が多い英文では、目印を見つけても前後の文が読めず、スキャニングで止まります。
この場合は、読み方の練習より先に、やさしい英文で単語と文法を固めるほうが近道です。
全部を読まないと不安になる
一語ずつ訳す読み方に慣れていると、読み飛ばすことに不安を感じます。
スキミングでは、読み飛ばした部分を後で読み直さない。
要旨を1文で書けたなら、その読み方は目的を果たしています。
目的を決めずに読み始める
何を知りたいかを決めないまま読み始めると、結局頭から全部を読むことになります。
読む前に「要旨を知りたいのか」「1つの情報を探したいのか」を決めるだけで、どちらの読み方を使うかがはっきりします。
「この文章から◯◯を知りたい」と、目的を1行で書いてから読み始めます。
◯◯が「全体の話」ならスキミング、「1つの情報」ならスキャニングを選びます。
スキミングとスキャニングのよくある質問
- スキミングとスキャニングの違いを一言で言うと何ですか?
-
スキミングは全体の要点をつかむ読み方、スキャニングは必要な情報だけを探す読み方です。
違いは、読み終えたときに手に入れたいものにあります。
- スキミングとスキャニングはどちらを先に練習すべきですか?
-
数字や名前を探すスキャニングのほうが、目印がはっきりしていて始めやすい読み方です。
慣れてきたら、段落の役割を読み取るスキミングに進みます。
- スキミングとスキャニングは英語でどう書きますか?
-
skimming と scanning です。
動詞の skim と scan に -ing を付けた形で、どちらも Cambridge Dictionary に読む動作としての意味が載っています。
- TOEICのPart7ではどちらを使いますか?
-
両方を使います。
日付や金額を問う設問はスキャニング、文書の目的を問う設問はスキミングで解くのが基本です。
- 初心者でもスキミングとスキャニングはできますか?
-
スキャニングは、数字や固有名詞を探す練習から始めれば初心者でも取り組めます。
スキミングは段落の頭の文が読めることが前提なので、精読と並行して進めます。
- 精読はしなくてよくなりますか?
-
精読は必要です。
文の構造が取れないと、スキミングで拾った文の意味もつかめないためです。
- 日本語の文章でも練習できますか?
-
目の動かし方の練習としては使えます。
ただし英語では段落の頭に主張を置く書き方が多いので、英文で練習したほうが試験にそのまま生きます。
スキミングとスキャニングの違いのまとめ
最後に、2つの読み方の違いと使い分けをまとめます。
| 押さえる点 | 中身 |
|---|---|
| スキミング | 全体の要点をつかむために段落の頭と終わりを拾う |
| スキャニング | 探す語を決めて必要な情報だけを見つける |
| 使い分け | 全体の話ならスキミング・1つの情報ならスキャニング |
| 組み合わせ | スキミングで地図を作りスキャニングで答えへ飛ぶ |
| 土台 | 精読と多読で単語と文法を固めておく |
| 練習 | 読んだことのある英文で時間を区切って毎日短く |
読む前に目的を決める習慣さえ付けば、英語長文を前から全部読む必要はなくなります。
TOEICのリーディングを読み方から立て直したい人は、TOEICコーチングのおすすめ7選でスクールを比べられます。↓


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参考文献
- skim|Cambridge Dictionary(Cambridge University Press)
- scan|Cambridge Dictionary(Cambridge University Press)
- TOEIC Listening & Reading Test テストの形式と構成(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)










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