えいごろう関係代名詞って、学校で習ったはずなのに全然使えません。どこから手をつければいいですか?



使い分けの表を覚えるより先に、「何のためにあるのか」を押さえると一気に楽になります。関係代名詞は、2つの文を1つにするための道具です。
関係代名詞とは?2つの文を1つにつなぐ道具
関係代名詞とは、2つの文を1つにまとめ、名詞に説明を足すための語です。
英語には、名詞のうしろに説明を長く付け足せるという特徴があります。
日本語では名詞の前に説明を置きますが、英語では逆に後ろへ置きます。
この説明を後ろに置くという仕組みを成立させているのが、関係代名詞です。
- 日本語=「昨日会った人」=説明が前
- 英語=the person who I met yesterday=説明が後ろ
この語順の違いが、関係代名詞を難しく感じさせている最大の原因です。
文法の知識が足りないのではなく、語順の感覚が日本語と逆だから戸惑うということです。
2つの文が1つになる仕組み
具体的に、2つの文が1つになる過程を見てみます。
- 文1=I know a man.(私はある男性を知っている)
- 文2=He lives in Osaka.(彼は大阪に住んでいる)
- 合体=I know a man who lives in Osaka.
文2の He が who に変わって、文1の a man の直後にくっついた形です。
つまり関係代名詞は、代名詞であると同時に接着剤でもあるという二重の役割を持っています。
この二重の役割こそが、「関係」「代名詞」という名前の由来になっています。



接着剤なんですね。



そうです。しかも接着したあと、自分も代名詞として文の中で働きます。だから2つ仕事をしています。
関係代名詞の種類と使い分け
関係代名詞は、説明する名詞が何かと、文の中でどの働きをするかで決まります。
| 関係代名詞 | 説明する名詞 | 文中の働き |
|---|---|---|
| who | 人 | 主語 |
| whom | 人 | 目的語 |
| whose | 人・物 | 所有格 |
| which | 物・動物 | 主語・目的語 |
| that | 人・物 | 主語・目的語 |
| what | 先行詞を含む | 主語・目的語 |
表を覚えるときのコツは、縦ではなく横に読むことです。
「人で主語なら who」という形で、条件から答えを引く順番で覚えると使えるようになります。
who と which の使い分け
説明する名詞が人なら who、物や動物なら which というのが基本の線引きです。
- the teacher who taught me(私を教えた先生)
- the book which changed my life(私の人生を変えた本)
動物については、ペットのように人格を感じている場合は who も使われます。
このあたりは文法規則というより、話し手の感覚の問題になります。
that はどちらにも使える
that は人にも物にも使えるため、迷ったときの逃げ道として便利です。
会話では who や which より that のほうが好まれる場面も多くあります。
ただし、非制限用法では that が使えないという重要な例外があります。
この例外については、後の章で詳しく見ていきます。
関係代名詞が省略できる条件
関係代名詞は、条件がそろえば省略できます。
省略できるのは、関係代名詞が目的語として働いているときだけです。
- ○ the book (which) I read yesterday=目的語なので省略できる
- × the book (which) is on the desk=主語なので省略できない
この線引きさえ分かれば、省略の判断は一瞬でできるようになります。
なぜ目的語だけ省略できるのか
関係代名詞のうしろに主語が続いていれば、省略しても文の構造が読み取れるからです。
the book I read という並びを見れば、「本」と「私が読んだ」の関係は文脈から明らかになります。
一方、主語の位置で省略すると動詞が2つ並んで文の切れ目が分からなくなるため、省略できません。
文法規則には、たいていこうした合理的な理由があります。
省略に慣れると読解が速くなる
英語のネイティブは、目的格の関係代名詞をかなりの頻度で省略します。
つまり、省略された形に慣れていないと、実際の英文が読みにくくなるということです。
名詞のすぐあとに主語+動詞が続いたら関係代名詞が省略されていると反射的に判断できると、読む速度が上がります。
これは英文読解で効果が出やすい、覚えておく価値の高いパターンです。



省略されているほうが普通なんですね。



会話ではそうです。だから教科書の英語と実際の英語で印象が違って感じられます。
関係代名詞の制限用法と非制限用法の違い
関係代名詞には、カンマを打つ形と打たない形があります。
| 用法 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 制限用法 | カンマなし | どの◯◯かを絞り込む |
| 非制限用法 | カンマあり | 追加の情報を付け足す |
この違いは見た目こそ小さいですが、意味は大きく変わります。
- I have two sons who became doctors.=医者になった息子が2人いる(ほかにも息子がいるかもしれない)
- I have two sons, who became doctors.=息子は2人いて、2人とも医者になった
カンマ1つで息子の人数が変わってしまうという、実務的にも重要な違いです。
契約書や技術文書では、この差が誤解のもとになることがあります。
非制限用法で that が使えない理由
非制限用法は「付け足し」なので、指し示す働きの強い that とは相性が悪いとされます。
だから非制限用法では、who か which を使うという決まりになっています。
覚えるときは「カンマのあとに that は来ない」という形で押さえておけば十分です。
日本語に訳すときの違い
制限用法は前から訳し下げず、うしろから前へ戻して訳すときれいになります。
非制限用法は、そのまま前から順に訳し下げるほうが自然です。
「〜、そしてその人は…」という形で前から訳すのが非制限用法のコツになります。
関係代名詞 what の特殊な使い方
what だけは、ほかの関係代名詞と性質が違います。
what は説明する名詞を自分の中に含んでいるため、前に名詞を置きません。
- the thing which I want=私がほしいもの
- what I want=私がほしいもの(同じ意味)
つまり what は、the thing which を1語にまとめた形だと考えられます。
この理解があると、what の文が読みやすくなります。
what を使った便利な表現
- what I mean is=私が言いたいのは
- what matters is=大事なのは
- what surprised me was=驚いたのは
- what we need is=必要なのは
4つとも、言いたいことを後ろに置いて強調する形になっています。
会議やプレゼンで使うと、話の要点がはっきり伝わる便利な構文です。
文法の知識としてではなく、そのまま使える道具として覚えておく価値があります。
関係代名詞と関係副詞の違い
関係代名詞とよく混同されるのが、関係副詞です。
| 関係副詞 | 説明する名詞 | 置き換えられる形 |
|---|---|---|
| where | 場所 | in which / at which |
| when | 時 | on which / at which |
| why | 理由 | for which |
| how | 方法 | in which |
見分け方は単純で、うしろの文に欠けている要素があるかどうかを見ます。
主語や目的語が欠けていれば関係代名詞、文として完結していれば関係副詞です。
- the town which I visited=visited の目的語が欠けている→関係代名詞
- the town where I lived=I lived で文が完結している→関係副詞
この見分け方を身につけると、どちらを使うか迷わなくなります。
テストでも実際の会話でも、同じ判断基準がそのまま使えます。
関係代名詞でよくある間違い
| 間違い | なぜ起きるか | 正しい形 |
|---|---|---|
| He is the man who I met him. | 代名詞を二重に置いている | who I met |
| This is the book what I bought. | 先行詞があるのに what | which / that |
| The house, that I bought, is old. | 非制限用法に that | which |
| the person which lives here | 人に which | who / that |
1つ目の代名詞の二重置きは、日本人学習者にきわめて多い間違いです。
関係代名詞自体が代名詞なので、後ろにもう一度 him を置く必要はありません。
この間違いは、日本語で考えてから英語に置き換えるときに起きやすくなります。
間違いを減らす確認方法
関係代名詞を使った文を書いたら、うしろの部分だけを取り出して読んでみます。
取り出した部分に欠けている要素がちょうど1つあれば、正しい形になっています。
欠けている要素がゼロなら関係副詞を使うべきですし、2つあれば文の構造が壊れています。
この確認は数秒で済むので、英作文のたびに習慣にしておく価値があります。



後ろだけ取り出して読むんですね。



それだけで9割の間違いが見つかります。慣れると書きながら気づけるようになります。
関係代名詞を話すときに使えるようにする
関係代名詞は、読むぶんには理解できても、話すときに出てこない代表的な文法です。
理由は、話しながら2つの文を組み立てる必要があるからです。
名詞を言った時点で、そのあとに説明を続けると決めておかなければ間に合いません。
つまり、文法知識ではなく段取りの問題だということになります。
話すときの現実的な使い方
会話では、無理に長い関係代名詞の文を作る必要はありません。
2つの文に分けて言っても、意味はまったく同じように伝わります。
- 長い形=I met a man who works at a bank in Tokyo.
- 分けた形=I met a man. He works at a bank in Tokyo.
どちらも通じるので、話すときは分けてもよいと知っておくだけで気が楽になります。
そのうえで、短い関係代名詞の文から少しずつ使っていくのが現実的な進め方です。
短い形から練習する
- the man who called me(電話をくれた人)
- the email I sent(私が送ったメール)
- the place where we met(私たちが会った場所)
3つとも短く、会話のなかで自然に挟める長さになっています。
こうした短い塊を口に出す練習を重ねると、長い文も組み立てられるようになります。
何度でも言い直せる環境という点では、AI英会話スピークのようなAI相手の練習が向いています。
聞き取りの側から慣れたいならシャドテン、文法の設計から見直すならENGLISH COMPANYという選び分けになります。
関係代名詞についてよくある質問
関係代名詞の whom はもう使われないのですか
書き言葉では今も使われますが、会話ではほとんど who か that に置き換えられます。ただし前置詞の直後では whom が残ります。
which と that はどちらを使うべきですか
制限用法ではどちらも使えます。ただし非制限用法では which しか使えないので、迷ったときはその点だけ確認してください。
関係代名詞は会話で本当に使いますか
短い形はよく使われます。長い文はむしろ書き言葉に多く、会話では2文に分けて話すことが一般的です。
先行詞とは何ですか
関係代名詞が説明する対象の名詞のことです。関係代名詞の直前に置かれるのが基本の形になります。
関係代名詞を使いこなすための読解トレーニング
関係代名詞は、使えるようになる前に「読めるようになる」段階を踏むのが近道です。
読めるというのは、どこからどこまでが説明部分なのかを一瞬で切り分けられる状態を指します。
切り分けの手順
長い英文に出会ったら、まず関係代名詞の位置を探します。
見つかったら、その直前の名詞が説明される対象だと分かります。
次に、説明部分がどこで終わるかを探しますが、ここが最大の難所です。
終わりの目印は、主節の動詞が現れる位置になります。
- The man who called me yesterday works at the bank.
- → who called me yesterday が説明部分
- → works が主節の動詞なので、その直前で説明が終わる
この手順を何度か繰り返すと、目で見た瞬間に切れ目が分かるようになります。
説明が二重に入る文
実際の英文では、関係代名詞が二重に使われることもあります。
The book that I bought at the store that opened last week was expensive. のような形です。
この場合も、内側から順に切り分けるという原則は変わりません。
慣れないうちは紙に書いて区切ってみると、構造がはっきり見えます。
二重の関係代名詞は書き言葉に多く、会話ではほとんど使われません。



読むのと話すので、必要な力が違うんですね。



違います。読むほうは切り分ける力、話すほうは組み立てる力。別々に練習する価値があります。
関係代名詞を使った英作文の練習手順
英作文で関係代名詞を使えるようにするには、段階を踏むのが効率的です。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 2つの文を書き出す | 1分 |
| 2 | 共通する名詞を見つける | 10秒 |
| 3 | 2文目の代名詞を関係代名詞に変える | 10秒 |
| 4 | 1文目の名詞の直後に差し込む | 10秒 |
| 5 | 声に出して読み、不自然でないか確かめる | 10秒 |
この5段階を踏むと、関係代名詞の文は必ず作れます。
最初は時間がかかりますが、繰り返すうちに段階そのものが意識に上らなくなります。
練習に使う題材の選び方
練習の題材は、自分の身の回りのことから取るのがいちばん続きます。
- 昨日会った人について書く
- よく行く店について書く
- 最近読んだ本について書く
- 仕事で使っている道具について書く
4つとも説明を足したくなる対象なので、関係代名詞が自然に必要になります。
文法のための例文ではなく、言いたいことを言うために使うという順番が大切です。
この順番が逆になると、覚えても使わないまま終わってしまいます。
関係代名詞が使われた実際の英文を分解する
ここでは、実際に目にする形の英文を使って、関係代名詞の働きを確認します。
取り上げるのは、ニュースやビジネス文書でよく出る形に絞ります。
説明が主語についている形
The company that launched the service last year is expanding overseas.
この文では、that launched the service last year が The company を説明しています。
主節の動詞は is expanding なので、その直前までが説明部分だと分かります。
主語が長くなるこの形は、英文を読みにくく感じる最大の原因のひとつです。
対策は単純で、主語の塊を先に切り取ってから読むことです。
説明が目的語についている形
I read the report that you sent me yesterday.
この形は主語が短いため、読みやすく感じられます。
目的語についた説明は文の後半に来るので、前から順に読んでいけば理解できます。
英語が説明を後ろに置く言語であることが、この読みやすさの理由です。
前置詞と一緒に使われる形
The person to whom I spoke was very helpful.
これはかなり形式ばった書き方で、会話ではまず使われません。
会話では The person I spoke to was very helpful. のように、前置詞を後ろへ回します。
前置詞を後ろに残す形のほうが自然だと知っておくと、実際の英語に近づけます。



教科書の形と実際の形が違うんですね。



そうです。教科書は規則を示すために正式な形を使います。会話では別の形が主流です。
関係代名詞は、規則を覚えることより、実際の形に触れる量が力になります。
読むときは切り分ける、話すときは短い形から使うという二段構えが実用的です。
この2つを分けて練習すると、どちらも早く身につきます。
関係代名詞を使うと文章が締まる場面
書き言葉では、関係代名詞を使うことで文章が引き締まることがあります。
短い文を並べると、同じ名詞を何度も繰り返すことになるためです。
- 分けた形=We hired a designer. She used to work at a game studio.
- つないだ形=We hired a designer who used to work at a game studio.
つないだほうが情報の重心がはっきりするという利点があります。
分けた形では2つの事実が対等に並びますが、つなぐと後半が説明に格下げされます。
つまり関係代名詞は、どちらの情報が主役かを示す道具でもあるということです。
この使い分けができると、文章の印象を意図的に操作できるようになります。
関係代名詞の学習を止めないための考え方
関係代名詞は、一度で完璧に身につく種類の文法ではありません。
読むときに切り分けられるようになり、そのあとで短い形から話せるようになるという順番を踏みます。
この順番を知らずにいきなり長い文を話そうとすると、うまくいかずに挫折しやすくなります。
読解と発話では必要な力が違うので、できないのは当然だと考えておくほうが健全です。
読めるのに話せないという状態は、失敗ではなく通過点にすぎません。
そこから短い塊を口に出す練習に移れば、自然に発話でも使えるようになります。
焦らずに段階を踏むことが、結果としていちばん速い進み方になります。
関係代名詞が使えるようになると、言えることの幅が大きく広がります。
名詞に説明を足せるということは、具体的に話せるということだからです。
「人に会った」ではなく「銀行で働いている人に会った」と言えることの差は、会話の中身そのものを変えます。
だから時間をかける価値のある文法項目だと言えます。
まとめ|関係代名詞は名詞に説明を後ろから足す道具
関係代名詞の中心にあるのは、2つの文を1つにして、名詞に説明を後ろから足すという働きです。
who は人、which は物、that は両方に使え、what だけは先行詞を含みます。
省略できるのは目的格のときだけで、主格では省略できません。
カンマの有無で意味が変わる制限用法と非制限用法の違いも、実務では重要な区別になります。
話すときは無理に1文にせず、2文に分けてもよいと知っておくと気が楽になります。



関係代名詞は覚える文法ではなく、使う道具です。短い形から口に出していきましょう。












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