えいごろう会議の前に「その件、リスケでお願いします」って言われたんですが……リスケって何ですか?



リスケは「予定を組み直すこと」です。断りでも中止でもありません。ここを取り違えると、相手の意図と180度ちがう受け取り方をしてしまいます。
リスケとは?意味を一言で言うと「予定の組み直し」
リスケとは、いったん決まっていた予定を、別の日時に組み直すことを指すビジネス用語です。
もとの予定を白紙に戻して終わりにするのではなく、「やること自体は残したまま、いつやるかだけを動かす」という点が中心にあります。
つまりリスケは中止でも断りでもない、ということです。
ここを誤解すると、相手は「日を改めましょう」と言っているのに、こちらは「断られた」と受け取ってしまいます。
リスケという言葉が持っている中身を分解すると、①予定はなくならない ②日時だけが変わる ③変更の主導権はどちらかの都合にあるの3つになります。
| 言葉 | 予定そのもの | 日時 | リスケとの違い |
|---|---|---|---|
| リスケ | 残る | 動く | ― |
| キャンセル | なくなる | ― | 予定自体が消える点が違う |
| 延期 | 残る | 後ろに動く | リスケは前倒しも含む点が違う |
| ペンディング | 残る | 決まらない | リスケは次の日時を決める点が違う |
表のとおり、リスケがほかの3語と決定的に違うのは次の日時をその場で決めにいく言葉であるところです。



「延期」とほぼ同じだと思っていました。



近いですが同じではありません。延期は後ろへずらす一方向ですが、リスケは前倒しもリスケです。
リスケの語源は英語の reschedule|スペルと発音
リスケの語源は、英語の reschedule です。
re-(もう一度)と schedule(予定を立てる)が合わさった動詞で、日本語のリスケはこの前半だけを取って略した和製の省略形にあたります。
発音はイギリス英語で「リーシェジュール」、アメリカ英語で「リースケジュール」に近い音になります。
schedule の sch- の読み方が英米で割れるため、リスケの元になった音も英米で変わるというわけです。
- reschedule(動詞)=予定を組み直す
- rescheduling(名詞)=予定の組み直し
- rescheduled(過去分詞)=組み直された
日本語のリスケは名詞のように使われますが、英語の reschedule は基本的に動詞です。
この品詞のズレが、英語で言おうとしたときに詰まる一番の原因になります。
「リスケをお願いします」をそのまま英語の語順に置くと名詞を探してしまうので、動詞のまま組み立てるのが近道です。
リスケと同じ形でできた和製の省略語
リスケと同じく、英語の長い単語の頭だけを切って日本語に定着した言葉はほかにもあります。
- アポ=appointment(約束・面会)
- プレゼン=presentation(発表)
- コンプラ=compliance(法令順守)
- サブスク=subscription(定期購読)
共通しているのは、英語話者には通じない形にまで縮まっていることです。
ビジネスで使うリスケの正しい使い方と例文
リスケは社内のやり取りではごく普通に使われますが、社外に対しては注意が必要です。
理由は単純で、リスケは業界や世代によって通じないことがあるからです。
相手が初対面の取引先なら、「日程を調整させてください」と言い換えたほうが確実に伝わります。
自分からリスケをお願いするときの言い方
- 「恐れ入りますが、打ち合わせのリスケをお願いできますでしょうか」
- 「先方の都合で、来週の会議をリスケさせてください」
- 「いただいた日程がどうしても合わず、リスケのご相談です」
お願いする側で大事なのは、謝罪・理由・代替日の3点をセットにすることです。
この3つのうち代替日が抜けると、相手は「結局いつやるのか」を自分で考えることになり、手間だけが渡ってしまいます。
リスケを頼まれた側の受け方
- 「承知しました。では改めて候補日をお送りします」
- 「リスケの件、問題ありません。来週でしたら水曜と金曜が空いております」
受ける側は、了承の一言のあとに自分の空き枠を出すと話が一往復で済みます。



リスケって、そんなに気を遣う言葉だったんですね。



言葉自体は中立です。気を遣うのは中身のほう。日時を動かすのはお互いの時間を動かすことですから。
リスケを英語で言うときの表現7選
ここからは、リスケを英語で伝えるときの表現を場面別に見ていきます。
| 英語表現 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Could we reschedule the meeting? | 会議をリスケできますか | ていねいな依頼 |
| I need to reschedule our call. | 通話をリスケしたいです | 自分の都合を先に伝える |
| Can we move it to Thursday? | 木曜に動かせますか | 候補日をその場で出す |
| Would another day work for you? | 別の日はいかがですか | 相手に選ばせる |
| Let's push it back a week. | 1週間後ろへ動かしましょう | 社内のくだけた場面 |
| Sorry for the short notice. | 急な連絡ですみません | リスケの前置き |
| Does Friday at 3 work? | 金曜3時は大丈夫ですか | 代替日をピンポイントで出す |
英語でリスケを伝えるときのコツは、reschedule の一語に頼らず、move や push back で言い換えることです。
ネイティブの会話では reschedule より move のほうがよく登場します。
かたい単語を1つ覚えるより、動詞を3つ持っておくほうが実際の会話では強いということです。
①謝る(Sorry for the short notice.)
②お願いする(Could we reschedule our meeting?)
③代替日を出す(Would Thursday at 2 work for you?)
この謝る→お願いする→代替日を出すの3文型は、日本語のリスケ依頼とまったく同じ順番です。
順番が同じなので、日本語で書いたメールをそのまま英語に置き換えれば形になります。
リスケのメール例文|社内と社外で書き分ける
社内へのリスケ依頼メール
件名は「【リスケ相談】◯◯定例(10/3)」のように、用件と対象を件名だけで分かる形にします。
本文では動かしたい理由を一行で書き、候補日を2つ以上出すのが基本です。
候補が1つしかないと、相手が空いていなかった時点でもう一往復増えてしまいます。
社外へのリスケ依頼メール
社外にはリスケという略語を使わず、「日程変更のお願い」と書きます。
そのうえで、こちらの都合であることを明示し、相手の予定を優先する姿勢を文面に残すと角が立ちません。
「ご都合のよろしい日をお知らせいただけますでしょうか」の一文があるだけで、印象がかなり変わります。



社外にリスケって書いたことがある気がします……。



通じてはいたはずですが、次からは「日程変更」で書けば安全です。
金融のリスケはビジネスのリスケと意味が違う
もう1つ押さえておきたいのが、金融の世界で使われるリスケです。
金融でのリスケは「リスケジュール」の略で、借入金の返済計画を組み直すことを指します。
会議の日程を動かす話とは、同じ語でもまったく別の文脈です。
- 会議のリスケ=日時を動かす
- 金融のリスケ=返済の計画を組み直す
- 工程のリスケ=納期やスケジュール全体を引き直す
同じリスケという言葉でも、何を組み直しているのかが場面ごとに違うわけです。
英語でも、返済計画の組み直しは debt restructuring と言い、会議の reschedule とは別の語が使われます。
日本語のリスケだけが、両方を1語で引き受けている形になっています。
リスケを使うときに気をつけたい3つの注意点
最後に、リスケという言葉を使うときの注意点を3つにまとめます。
注意点1|相手がリスケを知らない可能性を考える
略語は内輪で通じるほど外では通じにくくなるという性質があります。
リスケも同じで、社内では一瞬で通じても、社外では一拍止まることがあります。
注意点2|リスケの回数が信頼に直結する
1回目のリスケはほとんど問題になりませんが、同じ相手に2回続くと話が変わります。
回数が重なるほど、予定を守れない相手だという印象が積み上がるからです。
注意点3|リスケの連絡は早いほど価値がある
前日より当日のほうが迷惑なのは当然として、実は3日前と前日でも相手の負担はかなり違います。
リスケは内容ではなくタイミングで評価される連絡だと考えておくと間違いがありません。
リスケの英語表現を自分の口から出せるようにするには
ここまで読んで表現は分かっても、実際の会議で口から出るかどうかは別の話です。
リスケの依頼は相手を待たせながら話す場面なので、考える時間がほとんどありません。
だからこそ、黙読ではなく声に出して練習しておく価値があります。
AIが相手なら何度言い直しても気を遣わずに済むので、AI英会話スピークのようなアプリで「リスケをお願いする」場面だけを繰り返すのは効率がいい方法です。
発音そのものを直したい場合はシャドテンのように音を添削してくれるサービス、学習設計から見直したい場合はENGLISH COMPANYのような伴走型のスクールという選び分けになります。
どれを選ぶにしても、リスケの場面だけを切り出して繰り返すという練習の形は変わりません。



場面を絞って練習するんですね。



そうです。英語全体を上げようとするより、よく使う場面を10個決めて潰すほうが早く形になります。
リスケについてよくある質問
リスケは目上の人に使っても失礼になりませんか
社内であれば、リスケという語そのものが失礼になることはほとんどありません。
問題になるのは言葉ではなく、直前の連絡や理由の説明が足りない場合です。
リスケとリスケジュールはどちらが正しいですか
どちらも使われますが、会話ではリスケ、文書ではリスケジュールまたは日程変更と書くのが一般的です。
リスケを英語のメールで書くときの件名はどうすればいいですか
Request to reschedule our meeting (Oct 3) のように、用件と対象の日付を件名に入れると相手がすぐ判断できます。
リスケの反対語はありますか
明確な反対語はありませんが、「予定どおり進める」という意味では as scheduled が対になります。
リスケが起きやすい場面と、その前にできる予防
リスケは突発的な事故のように見えて、実は起きやすい場面がかなり決まっています。
多いのは①決裁が下りない ②他部署の返事待ち ③参加者が多すぎる ④移動時間を見ていないの4つです。
決裁待ちで起きるリスケ
上長の承認が前提になっている打ち合わせは、承認が遅れた瞬間にリスケ候補になります。
この場合は日程を押さえる前に、承認がいつ下りるかの見込みを先に取っておくだけで防げます。
予定を決めるより先に、予定が成立する条件を確認する順番にするということです。
返事待ちで起きるリスケ
他部署やパートナーの回答を待って進む会議は、待ちが1日ずれるだけで全体が動きます。
回答の締切をこちら側で切っておくと、リスケの判断も早く出せるようになります。
人数が多くて起きるリスケ
参加者が増えるほど、誰か1人の都合で全体が動く確率が上がります。
参加者を必須と任意に分けるだけで、リスケの発生率は目に見えて下がります。
必須が3人までなら、日程調整はほぼ一往復で終わります。
移動時間を見ずに起きるリスケ
訪問と訪問の間に移動時間を入れていないと、1件が伸びただけで後ろが全部倒れます。
移動を含めた枠で予定を押さえておけば、この種のリスケはほぼ起きません。



リスケって、当日の事故だと思っていました。



半分は前日までに決まっています。だから予防できる余地が大きいんです。
リスケの連絡で使ってはいけない言い方
リスケ自体は悪いことではありませんが、伝え方で印象が大きく変わります。
| 避けたい言い方 | なぜ避けるか | 言い換え |
|---|---|---|
| 急で申し訳ないのですが | 急にした理由が見えない | ◯◯のため、日程の相談です |
| また改めます | 次がいつか分からない | 来週の火曜か木曜でいかがでしょうか |
| 都合が悪くなりました | 主語が曖昧 | こちらの都合で恐縮ですが |
| 一旦リスケで | 決定なのか相談なのか不明 | リスケのご相談をさせてください |
共通しているのは、次の一手が相手側に渡ってしまう言い方だという点です。
リスケを頼む側が候補日まで出さないと、相手が代わりに考える手間を負うことになります。
この一往復の差が、リスケの印象を決めていると言っても言い過ぎではありません。
リスケの理由はどこまで書くべきか
理由は詳しく書くほど誠実に見える、と思われがちですが、実際は逆のこともあります。
社外に対しては一行で足りるのが基本で、長い説明はかえって言い訳に読まれます。
「社内調整に時間を要しており」の一行で、必要な情報はほぼ伝わります。
リスケを英語のメールで伝える全文例
ここでは、英語でリスケを依頼するメールの全文を組み立ててみます。
Subject: Request to reschedule our meeting on October 3
Dear Mr. Smith,
I'm sorry for the short notice, but I need to ask if we could reschedule our meeting on October 3.
We are still waiting for internal approval, and I would rather meet with everything confirmed.
Would October 8 or October 10 work for you? I'm flexible on the time on both days.
Thank you for your understanding.
Best regards,
この文面は謝る→事情→候補日→締めの4段構成になっています。
日本語のリスケ依頼とまったく同じ順番なので、型さえ覚えれば毎回使い回せます。
英文でリスケを伝えるときの語の選び方
- reschedule=もっとも中立でビジネス向き
- move=口語的で社内向き
- push back=後ろへずらす場合に限る
- postpone=かたく、公式な告知向き
社外メールでは reschedule を使っておけば外しません。
社内チャットなら move で十分ですし、そのほうが自然に読まれます。
postpone はイベント延期の告知のようなかたい場面で使われる語です。
返信でリスケを受けるときの英文
- No problem at all. October 8 works for me.(問題ありません。8日で大丈夫です)
- Thanks for letting me know in advance.(早めに知らせてくれてありがとう)
- Let's go with October 10 then.(では10日にしましょう)
受ける側の英語は短くて構いませんが、どの日で確定したかを必ず書くのが鉄則です。
ここが曖昧だと、リスケの連絡がもう一往復増えてしまいます。
チームでリスケを減らすための決めごと
個人の心がけでリスケを減らすのには限界があります。
効果が出やすいのは、チーム単位で先にルールを決めておくやり方です。
- 会議は必ず30分単位で切る
- 必須参加者は3人までにする
- 資料の締切を会議の前日正午に固定する
- 決裁が絡む会議は承認後に日程を入れる
この4つを決めるだけで、リスケの発生源のほとんどを塞ぐことができます。
特に3つ目の資料の締切を前倒しで固定するは、当日のリスケをかなり減らします。
資料が間に合わないことが前日に分かれば、会議そのものを動かす判断が前日にできるからです。
リスケの記録を残しておく意味
どの会議がどれだけリスケされたかを記録しておくと、原因が見えるようになります。
毎回動く会議には、たいてい構造的な理由があります。
参加者が多すぎる・目的が曖昧・決裁が外にあるのいずれかに当てはまることがほとんどです。
記録がないと、毎回「今回はたまたま」で片づいてしまいます。



リスケの回数を数えたことはなかったです。



数えると景色が変わります。事故ではなく仕組みの問題だと分かるので。
リスケを前提に予定を組むという考え方
リスケをゼロにしようとすると、かえって予定が動かしにくくなります。
現実的なのは、ある程度のリスケは起きる前提で予定を組むやり方です。
予備枠を先に押さえておく
週に1枠だけ、誰とも約束していない時間を残しておきます。
そこがリスケの受け皿になるので、動かしたい予定が出ても即座に代替日を出せます。
代替日をその場で出せるかどうかが、リスケの印象を決めるという話は前の章で触れたとおりです。
重要な予定ほど早く入れる
動かしたくない予定ほど、早い段階でカレンダーを押さえておく必要があります。
後から入れた予定は、周りの都合に合わせて動かされる側になりやすいからです。
早く入れるだけで、その予定はリスケされにくい予定に変わります。
リスケしても崩れない設計にする
会議が1つ動いたときに全部が倒れる組み方は、そもそも設計に無理があります。
どの予定が動いても、ほかが独立して進む形にしておくと、リスケの被害が広がりません。
会議と会議のあいだに依存関係を作らない、という考え方です。



リスケをなくすより、耐えられるようにするんですね。



そのとおりです。予定は動くもの。動いても壊れない組み方のほうが現実的です。
リスケという言葉に悪い印象がつきまとうのは、たいてい設計のほうに原因があります。
言葉の使い方を整えるのと同じくらい、予定の組み方を整えることに意味があります。
リスケという言葉の使いどころを最後に整理する
| 場面 | リスケを使ってよいか | 推奨する言い方 |
|---|---|---|
| 社内チャット | 使ってよい | リスケお願いします |
| 社内メール | 使ってよい | リスケのご相談です |
| 社外メール | 避ける | 日程変更のお願い |
| 初対面の相手 | 避ける | 日程を調整させてください |
| 英語のやり取り | そのままでは通じない | reschedule / move |
この表の通り、リスケは内向きの言葉だと考えておくと判断に迷いません。
迷ったときは略さず「日程変更」と書けば、どの相手にも通じるという安全側の選択になります。
まとめ|リスケは「予定を消さずに日時だけ動かす」言葉
リスケの中心にあるのは、やることは残したまま、いつやるかだけを組み直すという考え方です。
語源は英語の reschedule で、英語では move や push back といった動詞でも同じことを表せます。
社内では略語のまま、社外では「日程変更」と言い換えるのが安全な使い分けになります。
そして実務でいちばん効くのは言葉選びではなく、できるだけ早く、代替日を添えて伝えることです。



リスケの3点セットは、謝罪・理由・代替日。これだけ覚えて帰ってください。












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