皆さんは学生時代の頃、1週間の授業スケジュールの中にいくつ英語の授業がありましたか?
中間テスト、期末テスト以外に担当の先生から週1~2回のペースで英単語のミニテストがありましたよね。
筆者自身も1文字のスペルミスも許されないという、厳しい採点のテストだった記憶がありますが、接頭語や接尾語まで意識したことはありませんでした。
この記事では、英語学習において知ってると便利な接頭語と接尾語を紹介していきます。
接頭語と接尾語の仕組みを把握すると英語がもっと好きになりますよ。
英単語習得の学習経緯について!
これまでの英語学習の経緯を含め、英単語をたくさん覚えてきたという方も多いでしょう。
あなたは具体的にどのような取り組みをしてきたでしょうか?
筆者は下記のことを多くの方が実践してきたのではないか?と感じています。↓↓↓
- 英単語の教則本(例:ターゲットなど)を購入して必死で覚えた
- 新たに習った単語、および重要単語をノートにまとめ、単語帳を作った
- 単語カードをたくさん準備して通勤時など空いた時間に覚えた
3点共にとても良い勉強方法なので、継続すればTOEIC満点が取れる日も近いかもしれませんね。
単語をたくさん知っておけば、検定対策にも大変有利になること間違いなし!です。
継続は大事!しかし上手くいかない……
「継続は力なり」「石の上にも三年」耳が痛くなる言葉ですが、成功するためには努力が必要不可欠です。
しかし、ほとんどの方が英単語をノートにまとめる、単語カードを作るなどの学習作業に熱が入るのですが、それが徐々に面倒になり、遂には英語学習を挫折するきっかけになりかねませんね。
日本語でも同じく、難しい漢字は何度書いても忘れますよね。
英単語についても覚えた単語は実践で使わない限り、すぐに忘れてしまいます。
では、少しでも長く頭の中に多くの英単語をインプットしておくために、まずは基本的な英単語の構造を分析していきます。
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英単語の構造を知ろう!
まず、英単語の構造は下記3つの要素から成り立ちます。
- 接頭語(せっとうご):ある単語の前に付与される言葉で、語調を整えたりするもの
- 語幹(ごかん):英単語を分解したとき基礎となる意味を成す部分
- 接尾語(せつびご):ある単語の後に付与される言葉で、語調を整えたりするもの
接頭語は「接頭辞(せっとうじ)」、語幹は「語源(ごげん)」、接尾語は「接尾辞(せつびじ)」とも呼ばれます。
英単語は「接頭語+語幹」「語幹+接尾語」「接頭語+語幹+接尾語」のいずれかで成り立ちます。
3つの例題を参考に、いくつか英単語の例を挙げてみます。
【例題1】接頭語+語幹
英単語の学習の中で、頻繁に教科書や長文でも目にする接頭語のひとつ「re-」。
いくつか「re」が使われている英単語を確認します。
「re-」が接頭語、「use」が語幹となります。「re」は他の単語でも「recycle」「restart」など馴染みのある単語がたくさん思い当たります。「use」は皆さんもご存じのとおり「使う」という意味を成すので、この場合「再利用」という意味となります。
「re-」が接頭語、「serve」が語幹となります。まず、語幹の「serve」に注目しましょう。「serve」の意味は「~に仕える、~に務める、~のために尽くす」など相手を見守る意味に近いと言われています。この場合の「re-」は後ろに引きこむ意味となり「後ろに引き込んで見守る」から「備える、予約する」という意味になりました。例えば、ホテルのスタッフはお客様からご予約を頂いた際、名前、電話番号など控え、個人情報は決して表(または前)に出さないよう後ろで保管しますよね。
ここまでの説明で、語幹をたくさん知っておかないと全く活用できないというご意見があるかもしれません。
習ったことがある、もしくは覚えたことがある語幹に遭遇すれば何とかなるかもしれませんが、知らなかった場合どうしたらよいか不安ですよね。
この時点ではあまり深く考えず、残り2つの例題も確認していきます。
【例題2】語幹+接尾語
英単語の後に「-er」「-ee」「-ian(または-an)」「-ist」が付くと、どんな単語が思い浮かびますか?
「-er」「-ee」「-ian(または-an)」「-ist」が使われている英単語を確認します。
「play」が語幹、「-er」が接尾語となります。「-er」の接尾語は主に現在形の動詞の後につくことがほとんどです。「play(プレイする)」と「-er(~する人)」なので、答えは「プレイヤー、選手」の意味になります。
【他の一例】
work(働く)・-er(~する人)→worker(労働者)
buy(買う)・-er(~する人)→buyer(買い手、購入者)
「employ」が語幹、「-ee」が接尾語となります。「-ee」は「~される人」の意味で使われます。「employ(雇用する)」と「-ee(~される人)」なので、答えは「雇用される人(従業員)」の意味になりますね。「-ee」はフランス語の動詞の過去分詞節が語源であり、他動詞と組み合わせることで受け身の意味を持つようになったと言われています。
【他の一例】
train(訓練する)・-ee(~される人)→trainee(訓練生)
「music」が語幹、「-ian」が接尾語となります。「-ian」の語源はラテン語の「-anus, -ianus」がフランス語の「-ien」に変化し、現在の英語の接尾語「-ian(または-an)」になったと言われています。「-ian(または-an)」は「~の人(国籍を意味する)」や「~の能力(技術)がある人」の意味を持ちます。「music(音楽)」と「-ian(~の能力がある人)」なので、答えは「ミュージシャン(音楽家)」の意味になります。
【他の一例】
europe(ヨーロッパ)・-an(~の人)→european(ヨーロッパ国籍)
magic(魔法)・-ian(~の能力がある人)→magician(マジシャン、手品師)
「dent」が語幹、「-ist」が接尾語となります。「dent」と聞くと「dental clinic(歯科クリニック)」の表示を街中で見かけますね。「dent」はもともとラテン語で「歯」という意味を持ちます。「-ist」は先ほど説明した「-ian(~の能力がある人)」と近い意味を持ちますが、専門分野に長けた人(専門職)、もしくは主義者(~を唱える人)のことを意味します。「dent(歯)」と「-ist(専門職)」で「dentist(歯医者)」の意味になります。
【他の一例】
art(芸術)・-ist(専門職)→artist(芸術家)
perfection(完璧)・-ist(主義者)→perfectionist(完璧主義者)
「-er」「-ee」「-ian(または-an)」「-ist」の4つを例題に挙げました。
すべて「人」に関する意味を持つ接尾語でしたね。
すっかり和製英語となりましたが、よく使われる「ジャーナリスト」「ピアニスト」「メンタリスト」なども接尾語に「-ist」が使われていることを意識しながら学んでいきましょう。
【例題3】接頭語+語幹+接尾語
例題3で取り上げる「接頭語+語幹+接尾語」は例題1と2の応用となります。
では1つの単語に絞って分析していきます。
「at-」が接頭語、「tract」が語幹、「-ion」が接尾語となります。「at」はラテン語「ad」が語源となり「~方向・方角(~へ、~に)」の意味になります。「tract」もラテン語「trahere(引っ張る、引き寄せる)」が語源と言われています。最後の接尾語「-ion」は動作や状態を表す名詞語尾(~こと、~もの)にあたります。「at-(~に)」と「tract(引き寄せる)と「-ion(~もの)」で「attraction(~に引き寄せるもの=魅力)」になりますね。ここで重要なのは接尾語「-ion」です。末尾に「-ion」がくれば、必ず名詞となります。
このように英単語の構造を分解してみると興味深くなりませんか?
語幹の部分は本来の英語の意味と同じになることもありますが、ほとんどがラテン語やフランスが語源となるため、まとめて覚えるのも難しいです。
しかし、英語学習を継続していくことで「なるほど!」と言える日も近くなるかもしれませんね。
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知ってると便利!おすすめ接頭語5選!
英単語の構造がおおよそ把握できたところで、ここからは筆者が選んだおすすめ接頭語5選を紹介します。
【接頭語:bi-】
筆者も含め、皆さんも憧れるのが「bilingual」。
日本語でもすっかり「バイリンガル」という言葉で浸透していますね。
「bi-」はラテン語が語源で「二、双、両、複、重」を意味します。
「bi-(二)」と「lingual(言語)」で「bilingual(二言語、二か国語)」となります。
他に下記のような英単語があります。↓↓↓
bi-(二)・cylce(循環する)→bicycle(自転車)
bi-(二)・polar(~極の)→bipolar(二極式の)
bi-(二)・sect(分割)→bisect(二分割する)
【接頭語:co-/col-/com-/con-】
「co-/col-/com-/con-」とくれば、おそらく皆さんもたくさんの英単語を想像できるのではないでしょうか。
それぞれラテン語が語源となり「共に、一緒に、互いに」を意味します。
いくつか例を挙げてみます。↓↓↓
col-(共に)・laborate(働く)→collaborate(共に働く=協力する) ※「laborate」はラテン語が語源
com-(共に)・promise(約束する)→compromise(共に約束する=和解する)
con-(共に)・nect(結ぶ)→connect(共に結ぶ=接続する) ※「nect」はラテン語が語源
【接頭語:de-/di-/dis-】
「de-/di-/dis-」がつくと、何となく否定的な印象を与えるような英単語が思い浮かびませんか?
「de-/di-/dis-」がつくと「否定、反対、欠如」のような表現と、「下へ、分離する、拒絶する」などの意味を持ちます。
他に下記のような英単語があります。↓↓↓
di-(分離)・vide(分ける)→divide(分割する) ※「vide」はラテン語が語源
dis-(否定)・appear(現れる)→disappear(現れない=姿を消す、消えるなど)
【接頭語:ex-】
接頭語「ex-」も頻繁に英単語として使われます。
「ex-」はラテン語が語源となり「外に、外へ」という意味になります。
下記のような英単語があります。↓↓↓
ex-(外に)・it(行く)→exit(外に行く=出口) ※「it」はラテン語が語源
ex-(外に)・port(持ち運ぶ)→export(外に持ち運ぶ=輸出する) ※「port」はラテン語が語源
【接頭語:sub-】
接頭語「sub-」は私たちの日常生活においてしばしば耳にする言葉のひとつです。
「sub-」はラテン語が語源となり「~の下」という意味になります。
イギリスの有名ロックバンド「ビートルズ」の楽曲のひとつに「yellow submarine」がありましたが、覚えているでしょうか。
「submarine」の解説とあわせて、他の英単語も確認したところ、こうなりました。↓↓↓
sub-(~の下に)・tract(引っ張る)→subtract(下に引っ張る=引き算をする) ※「tract」はラテン語が語源
sub-(~の下に)・way(道路、通路)→subway(道路の下を走るもの=地下鉄)
ビートルズの楽曲が気になる方におすすめ↓↓↓
知ってると便利!おすすめ接尾語5選!
ここまでは、おすすめ接頭語を紹介しました。
英単語の構造、知っておくとこんなに便利な理由だった!ということが分かってきましたか?
続いて、おすすめ接尾語5選を紹介していきます。
【接尾語:-able/-ible】
「can+動詞句(~することができる)」を言い換えるとどうでしょうか?
こちらは中学校の英語テストでも頻繁に出てくるフレーズです。
答えは「be動詞+able+to+動詞句」ですね。
「-able/-ible」は英単語の接尾語でよく使われますが「~できる、~しうる」という形容詞接尾語です。
いくつか例を挙げてみます。↓↓↓
port(持ち運ぶ)・-able(~できる)→portable(持ち運びできる=携帯用の)
vis(見る)・-ible(~できる)→visible(見れる=可視の) ※「vis」はラテン語が語源
【接尾語:-ful/-ous】
英単語の形容詞ではとても馴染みのある「-ful/-ous」。
「-ful/-ous」は「~に満ちた」という形容詞接尾語です。
beautiful(美しさに満ちた=美しい)、glorious(栄光に満ちた=栄誉ある)、wonderful(驚きに満ちた=素晴らしい)など。
他に下記のような英単語があります。↓↓↓
color(色)・-ful(~に満ちた)→colorful(色に満ちた=色鮮やかな)
courage(勇気)・-ous(~に満ちた)→courageous(勇気に満ちた=勇ましい)
danger(危険)・-ous(~に満ちた)→dangerous(危険に満ちた=危ない)
【接尾語:-less】
文法節「比較級」の技法でよく出題される「less」。
英単語では「~がない、~に及ばない」の形容詞接尾語として使うことができます。
先ほど紹介した「-ful/-ous」と反対の意味で使えますので、一緒に覚えておくと便利ですよ。
いくつか例を挙げてみます。↓↓↓
price(値段)・-less(~がない)→priceless(値段がない=たいへん貴重な)
use(使用)・-less(~に及ばない)→useless(使用に及ばない=役に立たない)
【接尾語:-logy】
海外の大学へ進学すると「-logy」がつく学部がたくさんあることに気づきます。
「-logy」はラテン語の「-logia」が語源となり「~学、~科学、~論」といった学術的な表記でよく使われます。
いくつか例を挙げてみます。↓↓↓
psycho(心理)・-logy(~学)→psychology(心理学) ※「psycho」はギリシャ語が語源
socio(社会)・-logy(~学)→sociology(社会学) ※「socio」はラテン語が語源
【接尾語:-or】
「-or」は「語幹+接尾語」の例題2で紹介した「-er」と同じく「~する人(もの)」の意味を持ちます。
動詞句のあとに「-or/-er」がつくと名詞句の意味となりますが、それ以外に「比較」を表し、形容詞句を成す英単語もあります。
いくつか例を挙げてみます。↓↓↓
juni(若い)・-or(比較を表す)→junior(より若い世代=年下の) ※「jun(i)」はラテン語が語源
seni(古い)・-or(比較を表す)→senior(より古い世代=年上の) ※「sen(i)」はラテン語が語源
tract(引っ張る)・-or(~するもの)→tractor(引っ張るもの=トラクター・牽引車)
様々な「接頭語」「接尾語」を学んでみたい方へおすすめ↓↓↓
英単語知識の幅を広げてみよう!
接頭語と接尾語の仕組みを一語でも多く把握していくと、英単語の幅が広がってくることに徐々に気づいてきたでしょうか?
たとえばひとつの英単語「port」に出会ったとします。
この記事の中で学んだ接頭語と接尾語を付けると、いくつ英単語が導けるかわかりますか?↓
一語からたくさん生まれてくる英単語の重要性!
新しい単語を1日に10語覚え、一週間後の同じ曜日にまたテストをしたとします。
各個人の記憶力に準じますが「半分もインプットできていない方」がほとんどかもしれません。
先ほどの「port」の例を挙げると、前後に何かしら言葉を付けることでたくさんの英単語を導くことができます。
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記事のまとめ
この記事は英単語習得の学習経緯と英単語の構造、そして、おすすめ接頭語&接尾語と英単語知識の幅を広げる重要性ついて紹介しました。
内容をまとめましたので、ご覧ください。↓↓↓
- たくさん覚えた英単語は実践で使わない限りすぐに忘れてしまう
- 英単語の構造を把握しておくと成り立ちが理解できる
- 接頭語、語幹、接尾語の仕組みを理解すると、一語からたくさんの英単語を導き出せる
以上が、今回の記事の内容となります。
英語学習において「英単語」をたくさん覚えることは大事ですが、人間の脳内メモリーには限りがあります。
ただ、少しでも英単語の構造や成り立ちに理解を深めることで、今までと違った視点で英単語と向き合うことができます。
この記事の中で今まで知らなかった単語に出会えた方は、既に頭の中にインプットされているかもしれませんよ。
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