憧れの海外勤務。
でも。海外勤務をするにあたって、こんな疑問が湧いてきませんか?
「海外勤務になって海外移住をするとなると、年金受給はどうなるのだろうか」
今回は海外勤務をするにあたって海外移住後の年金受給について解説していきます。
監修者
高正熊生
3ヶ月でTOEIC900(今920)・試験対策ナシで英検準1級一発合格・1ヶ月でVERSANT50・留学(大学/語学/ワーホリ)3カ国(オーストラリア・カナダ・アメリカ)・外資系/海外勤務経験・海外在住歴13年以上・アメリカ人と結婚/シャドーイング歴1年以上(シャドテンアンバサダー)・オンライン英会話/英語コーチング/英会話教室/英語学習アプリ/子ども英会話の受講&取材経験50社以上
海外勤務の年金受給まとめ|海外勤務すると…
年金はどうなる?
日本の国民年金制度では、日本国内の居住者は全て国民年金の加入義務があります。
外国籍の人でも、日本に住所があれば毎月の国民年金保険料を支払わなければなりません。サラリーマンや公務員などの厚生年金加入者は、所属先の企業や団体経由で保険料を支払います。
外国で生活をする場合も同じで、日本から住所を外国へ移すので、日本で年金に加入する必要は無くなりますが、移住先の外国の年金に加入することとなります。
ただし、サラリーマンなどの厚生年金加入者が所属先の企業・団体の業務で海外に駐在する場合、住所は海外に移りますが、赴任中もその従業員として厚生年金に加入することとなります。
年金受給の注意点
海外勤務を命じられた時に注意しなくてはいけないことは、駐在先が「社会保障協定」を結んでいる国に該当するかどうかを確認する必要があります。
社会保障協定とは、保険料の二重負担を防止するために、加入するべき制度を二国間で調整したり、年金加入期間の通算ができるという協定です。
サラリーマンとして海外勤務をするときに「社会保障協定」を結んでいるかを必ず確認してください。
社会保障協定が結ばれていない国に勤務することとなったら保険料を二重負担することとなる可能性もあります。
ここについては、みなさんの勤務先の会社に対応を確認してみましょう。
参考にいかに日本と社会保障協定が結ばれている国を紹介していきます。
社会保障協定が結ばれている国 | 署名は住んでいるが未発効な国 |
---|---|
ドイツ | イタリア |
イギリス | 中国 |
韓国 | スウェーデン |
アメリカ | |
ベルギー | |
フランス | |
カナダ | |
オーストラリア | |
オランダ | |
チェコ | |
スペイン | |
アイルランド | |
ブラジル | |
スイス | |
ハンガリー | |
インド | |
ルクセンブルク | |
フィリピン | |
スロバキア |
社会保障協定については、日本年金機構の公式ホームページに詳細が載っています。
年金は減る?
仕事で海外赴任をするときに、基本的に会社で厚生年金を支払う制度であれば年金が減ることはありません。
しかし、住民票を日本から外して年金を支払わない期間があると、その分減ってしまいます。
また、国民年金と厚生年金の加入期間が10年に達していない場合は、将来年金が1円ももらえなくなってしまいます。
少なくとも、年金の加入期間は最低でも10年は加入しておきたいものです。
そのため、10年に満たない人の場合は、任意で年金に加入して年金を支払っていくと良いでしょう。
任意加入は日本にいる間に、最後の住所地の市役所などで、日本国内の自身の口座から保険料を引いてもらう手続きをしておかなくてはなりません。
任意加入はあくまでも「任意」ですので、出国前に必ず手続きをしましょう。
海外勤務の年金受給まとめ|海外移住すると…
年金はどうなる?
海外移住をした人が年金を受け取るためには受給要件を満たしていれば海外に住んでいても年金受給することができます。
そのために、年金請求書に必要書類を添えて日本年金機構に提出しなければなりません。
年金は請求しないと受給できないのは日本在住でも同じことなのですが、日本在住なら日本年金機構から事前に案内が送られてくるので気づきます。しかし、日本に住所がない人には年金請求書は送られてきません。
年金の請求は、日本年金機構のホームページから年金請求書を印刷して、必要事項を記入したものを郵送または持参します。
年金の受け取り口座は、日本の口座でも海外の口座でもどちらでもOKです。
年金受給の注意点
海外移住をした際に年金受給で気をつけなくてはならないのは「移住前」手続きが大切です。
まず「移住前」には市町村に「海外転出届」を提出しましょう。
海外で年金を受け取るために必ず「海外転出届」の提出を日本で最後に暮らしていた市町村へ提出しましょう。
国民皆年金制度の日本では、日本で暮らす20〜60歳になるまでの全ての人に、公的年金に加入することを義務付けています。
言い換えると、たとえ日本国籍でも日本で暮らしていなければ加入義務はないのです。
「海外転出届」は年金受給に関係なく、海外移住する人が提出するものですが、これを届けておくと海外移住中は年金保険料を納めなくても「合算対象期間」隣、老後の年金を受け取るのに必要な「受給資格期間」としてカウントしてもらえます。
海外勤務の年金受給まとめ
今回の記事では海外勤務をするにあたって海外移住後の年金受給について解説をしていきました。
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- サラリーマンが海外勤務をするときは必ず勤務する先が、「社会保障協定」が結ばれている国か確認をすること。
- 年金は海外で海外でも支払うことは可能。サラリーマンで厚生年金に加入していれば厚生年金として支払うが、厚生年金に加入していなければ任意加入をして支払うこと。
- 年金の受給は海外でも可能。その場合は日本で最後に生活していた市町村に「海外転出届」を提出すること。
憧れの海外生活でも、やはりお金のことは非常に大事なことです。
ぜひ今回の記事を読んで今後の参考にしていただけたら嬉しいです。
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