「英語のオーバーラッピング法について、おすすめの英語教材や効果的なやり方を知りたい…」
「オーバーラッピング法ってよく聞くけれど、具体的にどんなことをするの?どんな効果があるの?」
「なんとなく聞いたことはあるんだけど、実際どういうものか知らないから、ちゃんと調べて実践したい!」
そんなあなたのために、英語学習のオーバーラッピング法を以下の5つに分けて解説します!
- そもそもオーバーラッピング法って何?シャドーイングとの違いは?
- やり方を具体的に!
- 知らないと効果が半減するという落とし穴!絶対に押さえたい注意点
- 効果 やらなきゃ損!こんなにたくさんの効果があるなんて!
- おすすめの英語教材はどれ?
オーバーラッピング法は、シャドーイングと並んで英語中上級者から上級者まで、英語に精通した人は必ず通る道です。
この記事を読めば、そのオーバーラッピング法やそのやり方ついて正しく理解し、より上のレベルに至る勉強が出来るようになるのでぜひ読んでみてください。
英語のオーバーラッピング法とは?
オーバーラッピング法とは、文字通りOverlap、つまり、ベースとなるリスニング音声などに自分の発音を被せる事で
リスニング力とスピーキング力を上げよう、という勉強方法になります。
「あー、なんか聞いたことある!それってシャドーイングってやつ?」
と思ったあなたは、英語の勉強方法について詳しい方です!
先に申し上げると、オーバーラッピング法とシャドーイング法は、少し違う勉強方法になります。
シャドーイング法が、聞こえてきた音声に対して”少し遅れて”復唱していくのに対して
オーバーラッピング法は、先ほど申し上げた通り”音声に被せる”…つまりは”音声と同時に”復唱していく方法なんです。
どちらも英語力を高めるためにとても優秀な勉強方法ではありますが、それぞれ効果的な使いどころがありますので混同しないようにしたいところ。
オーバーラッピング法とシャドーイング法の違いがわかった今、アナタは既に初中級者よりもアドバンテージを取ったと言えるでしょう!
オーバーラッピング法とシャドーイング法について、詳しく解説した動画がありますのでそちらもぜひご参照ください↓↓↓
やり方は?
①テキストのリスニングスクリプト(台本)を見ながら音声を反復する
まずは教材や問題集のリスニング音声を、スクリプト(台本)を見ながら反復していきましょう。
「事前に言うことがわかってるなら簡単じゃない?」
とお思いになるかもしれませんが、やってみるとわかります。なかなか大変です。
ネイティブスピーカーのスピードで、ノンストップで一文一文読み上げられるのでついていくだけでも大変です。
詰まってしまったり、噛んでしまったらもう一度やり直しましょう。
単語や文法と同様オーバーラッピングも反復が大事。裏を返せば、反復すれば必ず上手くなれます。
一歩ずつ、確実に習得していきましょう!
②テキストのリスニングスクリプト(台本)を暗唱して音声を復唱する
何度も繰り返し練習する事になるので、慣れてきたら知らずのうちにスクリプト(台本)を覚えてしまいます。
その状態になったら、台本を見ずに復唱していきましょう!
ただ単純に自分への負荷を大きくするだけではありません。
音声が流れるスピードで、次の文章を予測していくことで英文の構築能力や速度を鍛える事が出来るからです。
もちろん、最初から完璧に全てを意識するのは難しいので、台本を暗唱出来るようになるくらいに慣れてからでOKです。
このようにオーバーラッピング法は、ただ発音力やリスニング音声を鍛えるだけでなく、こうした少しの工夫で、英語のスキルを幅広く鍛える事が出来る勉強方法なんですよね。
では、その”効率を最大化する工夫”であり、同時に”効率を半減させないための注意点”についてお話していきましょう。
知らないと効果が半減するという落とし穴!絶対に押さえたい注意点
①音声の発音や抑揚まで最大限完コピを目指す!
英語が出来る人と苦手な人の差は、”英語の発音を英語の発音として口に出すことが出来るか否か”と言っても過言ではありません。
後述の”オーバーラッピング法の効果”で触れますが、そもそもオーバーラッピング法は
【英語らしい発音を自分でも出来るようになる事で、正確に聞き取る事】を目的としています。
特に日本人が陥りやすいL、R、THの発音は、しつこいくらい強調して発音してみてください。
そして、音声に置いていかれないために必須だとは思いますが、”音の連結=リエゾン”のコツを掴むことが非常に重要です。
この感覚を身につければ、かなりネイティブに近い自然な発音が出来るようになります。
カタカナ英語を完璧に脱出してネイティブに近い自然な英語を話すためにも、ナレーターの英語を完璧にコピーしてしまいましょう!
そして、同じくらい大切な”抑揚”!
実は、完璧な発音をするよりも、英語独特のリズムを体得した方が、ネイティブスピーカーには聞き取りやすいということをご存知でしょうか?
「え?発音よりも?ホントに?」
そう思うかもしれませんが、想像してみてください。
あなたの友人や同僚に、活舌の良くない方が一人はいるのではないでしょうか?
その方が何かを話す時、多少「サ行」が苦手でも、イントネーションからその単語や文章を予測して文章を補完するのではないでしょうか?
これと同じです。
発音と音の連結と同じくらい、リズムや声のテンションも大切という事なんですね。
なので、ネイティブスピーカーに伝わりやすい、自然で格好良い英語を身につけるためにも、抑揚も意識して真似してみるのがベストですよ!
②読み上げると同時に、頭の中で訳していく
流れてくる英語の音声を、頭の中で訳していきます。
これは日本語訳するというわけではなく、意味をしっかりとらえながら読んでいくということです。
「え?それって何が違うの?」
と思われるかもしれませんが、これは”英語を英語のまま、スピーディーに理解する勉強法”だと言えばしっくりくるかと思います。
ご存知の通り、日本語と英語ではそもそも文章の語順が違います。
それゆえに、慣れないうちは語順を並び替えて日本語訳にするのに時間がかかりがちです。
もちろん慣れてくれば、英語を英語のまま理解していく事が出来るようになりますが、それをネイティブスピーカーが読み上げるスピードで行える人は少ないです。
言うなら、それを出来る人はかなりネイティブスピーカーに近い位置にいるという事です。
なので、現在あなたがいる位置から少しでもネイティブスピーカーの言語思考スピードの感覚を得るために、慣れ親しんだリスニングスクリプトからその感覚を体験してしまおうという事ですね。
そう、オーバーラッピング法は机上の勉強法でありながら、ネイティブスピーカーの言語思考に近づく非常に実践的な練習法でもあるというわけです。
それでは、オーバーラッピング法を実践する事で得られる”効果”についてお伝えしていきますね。
やらなきゃ損!こんなにたくさんの効果があるなんて!
もうこれまでの内容でお気づきかとは思いますが、オーバーラッピング法で勉強すると、英語の複数のスキルを同時に養うことが出来ます。
英語の技能は大きく分けで4つ(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)ありますが
その全てを同時に養う事が出来ると言って差し支えありません。
同時に養う…というより、もっと厳密に言えば、それら全てが”リンクする”と言った方が正確かもしれません。
「ホントかよ?そんな魔法みたいなやり方あるの?」
そう思われたかもしれませんね?
それではその根拠について、順を追ってお伝えしていきますね。
①リーディング力の向上|英文を読むスピードと正確性、両方を鍛えられる
これは、流れてくる音声と同時に英文を訳していく事によって、英文解釈力が向上する事を意味します。
英文解釈力とは、英語を英語のままで理解する力のこと。
(厳密な英文解釈の意味となると少しズレが生じますが、大枠として英文を理解する技術としては一緒の意味です。)
リスニング音声は待ってくれませんので、英文を分解して日本語訳なんてしていると、あっという間に置いていかれてしまいます。
そんな中で流れてくる音声の意味を理解しながら読んでいくと、少しずつ英文を英文のまま文頭から順に意味を捉えていく事が出来るようになっていきます。
この感覚が養われれば、もちろんリーディングの場面でも同じように、素早く、より正確に読めるようになるということなんです。
「本当に…?そんな自信ないよ…」
そう思う方も、大丈夫です!
英文にはパターンがありますし、この勉強方法の性質上何度も反復して練習する事になるので、いつの間にか出来るようになっています!
この”いつの間にか出来ている感覚”が、英語学習の肝でもあります。
口をレコーダーのようにしてただ作業のように行うのではなく、ぜひ英文を文頭から理解するやり方で、オーバーラッピング法を実行していきましょう。
②リスニング力の向上|発音出来ない英語は聴き取ることも出来ない
「リスニング問題、全然聞き取れなかったと思ったら、全部知ってる単語だった…」
そんな経験ありませんか?
そんな状況に直面した時
「今度からはちゃんと聞き取れるようにしよう…」
そんな風には思うけれど、具体的に何に気をつけるべきかわからず終い…
そんな不完全燃焼な経験、一度は経験するものです。
その根本原因が、”その単語の音、本当にわかってますか?”ということ。
例えば、”Grow”を”グロー”としか把握していなかった場合、Gの直後がrだということ(Lと区別がつかない)、語尾がwなので次の音に連鎖する場合wの余韻が残る事を把握しきれません。
また、ネイティブスピーカーは英単語を一語一語独立して発音するわけではなく、音を連結させて一文を読みます。
この2点を見落としている…もとい、聞き落としているために
「全部知ってる単語だったけど聞き取れなかった…」
という事態が発生するわけです。
そこで、”正確に聞き取れるように、自分が発音出来るレベルで英語の音を理解する”という目的で、このオーバーラッピング法が有効だということです。
オーバーラッピング法を実践してみるとわかりますが、音の連結を速やかに行わないと音声に置いていかれますし、音の連結を速やかに行うために各単語の発音が洗練されていきます。
その感覚が養われれば、音からスペルを推察し、読まれる英文を能動的に推測することすら出来るようになります。
オーバーラッピング法を征する者は、リスニングを征するということですね。
③スピーキング力の向上|英語らしい発音を真似る事は、自然で流暢な英語を身につける事
先述の”リスニング力の向上”でも触れましたが、オーバーラッピング法を実践していく中で、自然に発音と音の連結が養われていきます。
それはつまり、ネイティブスピーカーから見た綺麗な発音に限りなく近づいていくということ!
そして、先述した”リーディング力の向上”の最後の一文”読まれる英文を能動的に推測することが出来るようになる”というのは、文章の構築能力が養われているということでもあります。
それは当然の成り行きです。
オーバーラッピング法で、流れる英語の音声の意味を、文頭から理解していく訓練をしてきたのですから。
その鬼のような反復練習によって
「この構文で来たから、次はこの形になっているはずだ」
という感覚が身についているんです。
机上の勉強だけでは身につかない、能動的に、体感的に英文を作る”思考回路”が出来上がっているのは当然の成り行きです。
④ライティング力の向上|能動的、体感的に英文を作る”思考回路”が出来る
先ほどのスピーキング力の最後に書いたことでもありますね。
ライティングというのは、スピーキングから発音を切り離したようなものですから、スピーキング力が養われればそのままライティング力も養われているのは必然です。
(語弊がありますが、本格的な英文書やレポートの執筆に至らない、英文メール程度ならそう言って差し支えないでしょう。)
要はネイティブスピーカーが見ても綺麗な英文を、自分の頭の中で能動的に構築できるレベルで反復しているというわけですし、頭の中で流れる音声をそのままスペルに落とし込めば良いので、スペルのミスも減るわけですね。
⑤上記全てのスキルが”リンク”している
この見出し、”オーバーラッピング法|効果 やらなきゃ損!こんなにたくさんの効果があるなんて!”の最初で触れた、各英語のスキルが”リンクする”という感覚…もう皆さんピンと来ているかと思います。
そう、同時に複数養っているという感覚ではなくって、”英語という一つのジャンル全体を養っている”…そんな感覚なんです。
このオーバーラッピング法は、机上の勉強から脱却して、より実践的な”英語力の底上げ”をする第一歩であり、同時に最終系でもあるんです。
もちろんこのやり方以外を一切やめてこれだけをやれば良い、という訳ではありませんが、英語をかなり極めた人は99.9%実践している方法です。
ぜひあなたも、取り入れてみてください!
おすすめの英語教材はどれ?
①TOEICや英検など 目標資格の過去問
オーバーラッピング法を実践する上で、最も成果を実感しやすいのが”過去問”!
やはり勉強をする上で、成果が実感出来るか否かは、モチベーション維持の観点から非常に重要です。
そして、人間が成果を最も感じる瞬間は、やはり成長した実感が”数字で”表れることです!
各資格の過去問を実践する事で、自分のレベルに合わせた学習が出来ますし、自分が取得したい試験の傾向を把握することも出来ます。
英検であれば、旺文社の全問題集とそのCDがおすすめです。
TOEICであれば、公式問題集や至高の模試600などが定番ですね。
TOEICはその需要の高さからか、模試と名の付くものでも、かなり簡易化されてしまって実際の試験と大きなギャップを感じてしまう英語教材も多く出回っているので、やはりこれら2つを選ぶのが無難です。
②究極の英語リスニングシリーズ
多用な英語に触れたい!という方におすすめの英語教材は、究極の英語リスニングシリーズです。
日常会話から観光地の紹介、物語などの多岐に渡る形で英語に触れることが出来ます。
こちらも自分の英語力に合わせて、Vol.1~Vol.3まで難易度を選択することが可能です。
③速読英単語
受験生の間で非常に有名な単語帳である速読英単語(通称:速単)
実はシャドーイング教材としても非常にクオリティが高く人気の英語教材であることをご存知でしたか?
シャドーイング教材としてクオリティが高いという事は、オーバーラッピングにも最適だと言う事!
押さえるべき単語がふんだんに使われた長文が、なんと70個も掲載されているんです。
長文の分量も長すぎず短すぎなくて丁度良く、左ページに英文、右ページに日本語訳というデザインになっているので、わからなかった部分の確認も、丁寧に解説され非常に楽です。
語彙力の強化とオーバーラッピングを同時にこなしたい方にはぜひおすすめしたい、うってつけの一冊となっています。
④お好きな洋画や海外ドラマ
「好きこそものの上手なれ」
とはよく言ったもので、好きな作品であれば自然と熱中出来ますよね。
先ほどまでに紹介した”しっかりとした教材”よりも優れている点は、自分が熱中しているが故に、話している登場人物の口調や感情もそのままにオーバーラッピングを出来るという事。
登場人物の振る舞いまでも完璧にコピーして、感情を想像しながらのオーバーラッピングで得られる効果は、”しっかりとした英語教材”とはまた格別のものになります。
私自身も、留学先のカナダで”Hello there!”と言ったら、”お前がオビワン・ケノービが好きなのはよくわかったよ”と、友人作りのきっかけになったこともあります笑
最近ですと、suitやSherlockなどの海外ドラマがかなり人気を博していたので、好きな作品を一つ見つけて、まずそれに没頭するのがおすすめです。
⑤バスや電車のアナウンス
私たちが暮らす日常の中にも、実は綺麗な英語アナウンスというものは存在しているんです。
私は大学生の時に、地下鉄を使って通学していたのですが、その地下鉄から聞こえる”Please change here for the ○○ line”などの英語アナウンスをシャドーイング、またはオーバーラッピングしていました。
そのせいか、カナダに留学に行ったときも、不思議と発音に不安は全くありませんでしたし、実際にルームメイトからも”キミほどナチュラルに話す日本人は珍しい”と何度も言われました。
何度かオーバーラッピングを実践して、クセがついてきたら、自分の身の回りの英語アナウンスに耳を傾けて、コピーしてみると良いでしょう。
すぐに、かつ気軽に始められるおすすめのやり方です。
まとめ|オーバーラッピング法は、英語の技能を一気に養う優れた勉強法!
かなりボリュームのある記事になりましたが、以下の5つの点から、オーバーラッピング法について解説してきました。
- オーバーラッピング法|リスニング音声に被せて、自分の英語を重ねていく勉強法。シャドーイングとは少し違う。
- オーバーラッピング法のやり方|まずはスクリプトを見て、慣れたらスクリプトなしで練習していく。
- オーバーラッピング法の絶対押さえたい注意点|抑揚まで完コピする事を意識して、英語特有のリズムをつかむ。音声のスピードで英文を理解することで、各英語スキルをリンクさせて養う。
- オーバーラッピング法の効果|各英語スキルがリンクして養われる事で、一度に多くの成果を望める。
- オーバーラッピング法のおすすめ教材|成果が見えやすい過去問から、日常の英語アナウンスまで、用途に応じてたくさんの教材があり、あなたはそれを実践できる。
もうあなたはオーバーラッピング法について、知らない事の方が少ないですし、せっかくの効果を半減させてしまう落とし穴にハマってしまうこともありません。
ぜひこの記事でお伝えしたことを活用して、あなたの英語学習を加速させてください!
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